「帰ってもすることがないんです。…本当に先が見えません」
14日午前1時。中国広東省の省都、広州駅広場で会った劉天宏さん(45)は、ため息をついて首を落とした。
湖北省荊州市公安県出身の劉さんは、3年前から広州市獅𨛺津にある革カバン会社で働いていたが、最近工場が閉鎖されたため、70人余りの同僚とともに仕事を失った。社長が3ヵ月分も滞っていた賃金を踏み倒し逃走、劉さんは実家に帰る旅費もぎりぎりしかない。夜が明ければ、故郷に帰って家族に会えるだろうが、劉さんの心情は重苦しい。三斗まきの田を耕しても、年300人民元も手に入らないからだ。
夜12時過ぎた広州駅広場には、故郷に帰る「都会の肉体労働者」農民工らが集まった。
世界的な経済危機で会社が倒産し、最近は一部の農民工が実家に帰っている。改革開放から30年間、飛躍的な成長を遂げてきた中国だが、産業構造が高度化した上、経済危機の余波で成長に伴うひずみを経験しているのだ。
改革開放から30年間、中国は多くのことを達成した。広大な大平原の上海裏東地区にそびえ立つ摩天楼は、世界を驚かせた。数値だけを見ても、この30年間、年平均の経済成長率は9.8%を記録したほか、貿易額は105倍、1人当たりの国内総生産(GDP)は47倍になった。
このような経済力に支えられ、今や中国は、政治・外交的にも米国や欧州に向かって発言力を増している。
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