米国立地理院傘下の地名委員会(BGN)が独島(トクド、日本名・竹島)を韓国領から「主権未指定(undesignated sovereignty)」、つまり主人のない島であると書き直したという報告を受けて、李明博(イ・ミョンバク)大統領が「どうしてそんなことがありえるのか」と激怒したと、大統領府の関係者が伝えた。ところで、ニュースの下に書き込まれたレスには、米国や日本より大統領を批判する内容の方がさらに多い。「激怒する方は国民です」「まるで人のせいにしているようですね。大統領の責任ではないですか」「米国に怒るべきであるのに、どうして部下らに八つ当たりするんですか」といった内容の書き込みがほとんどだ。大統領の「激怒」が民心の共感を十分得ていない証左である。
◆どうも「激怒」が頻繁すぎるせいのようだ。李大統領は当選者時代から大統領職引継ぎ委の資料漏れ、メディア幹部の性向調査など、トラブルが起きるたびに「激怒」したと報道された。就任後は、大統領首席秘書官の財産疑惑、公認候補をめぐる疑惑をはじめとする党内の対立、省庁の利己主義、そして最近の金鋼山(クムガンサン)観光客射殺事件の出遅れた報告に対しても激怒したという。頻繁に怒りをぶつけているのに、だからと言って、さほど変わったことはないから、国民の反応もいまいちであるわけだ。
◆さらに「激怒」「大声で怒鳴る」「問い詰める」といった言い方は、国政の最終責任者である大統領が下の人のせいにばかりしているような印象を与える。ある大企業の広報担当役員は、「まるで企業のCEOが下の社員を問い詰めている姿を連想させる」とし、「大統領はCEOと違って、普段は岩のように重いが、一度怒ると、天と地が揺らぐというようでなければ」と話す。中央(チュンアン)大学法学部の李サンドン教授は、ホームページで「ソ連の大韓航空007便撃墜時間の時、レーガン元米大統領の一声は、『野蛮的な行為』といった辛辣な言葉だった」としながら、それにも関わらず対処は冷静であったと指摘した。
◆大統領の感情や言葉を編集もせずそのまま伝える大統領府参謀陣にも問題がある。大統領の憤怒を借りて、事案の深刻性を知らせ、警戒心を持たせようとするつもりなのであろうが、必ず「激怒」といった極端な言い方をしなくてはいけないのだろうか。そのような言い方が国民にどのような響きをもって聞こえるのか、一度ぐらいは考えなければならない。「激怒」よりさらに怒ったら、その時は「大怒」とでも言うのだろうか。
許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com






