ソウルで光化門(クァンファムン)一帯ほど過去と現在が共存するところもめったにない。数百年の歴史を持つ景福宮(キョンボクグン)、徳寿宮(トクスグン)、慶喜宮(キョンヒグン)など古宮が構えている中で、大通り沿いに立ち並んだ政府庁舎をはじめ、高層ビルはお洒落な現代風のソウルを象徴的に見せている。高層ビルのすぐ後ろには古い建物が再開発を待っている。公務員やサラリーマンが集まっていて、交通まで便利なところであるため、味のうまい店や居酒屋が多いのも光化門地域の一面だ。
◆米国産牛肉の輸入反対を掲げたろうそく集会が続いたこの2ヵ月の間、光化門一帯は夜になると「デモ隊の解放口」に打って変わった。デモ隊の大統領府への押し入りに備え、警察のバスが各路地に配置され、車両の通行まで禁じられ、この一帯の食堂と商店らは開店休業の状態でいらいらを募らせていた。スパゲティ専門店を営むイム某氏は、「月200万ウォンの手取りがあったが、ろうそくデモのため、1日の平均売り上げが10万ウォンに減った」と話す。ほとんどの飲食店と商店が、売り上げが半分ぐらい減少したと訴えた。どれほど切羽詰まる状況に陥ったのか、商店主らがろうそく集会に反対するデモまで展開したほどだ。
◆6日、KBS第1テレビの「生放送、深夜討論」を見た光化門の商店主らはさらに怒りを覚えた。討論に出た「民主社会のための弁護士の集まり」の事務次長、ソン・ホチャン弁護士の発言のためだ。ソン弁護士は、「商売が大変だからと言って、ろうそく反対デモに参加した商店主らは、本当は光化門の商店経営者ではない。光化門一帯の食堂は、実際は商売繁盛している」と主張した。また、「光化門地域にあるコンビニや食堂などは、普段夜10時〜11時に閉店していたが、今は9時前に閉店する。物が売り切れるからだ」と述べ、商店主らを怒らせた。明らかなことは、夜間デモのときの光化門は、ろうそく集会とは無関係な市民にとって「早く離れるべきところ」だったということだ。
◆市民団体である「市民と共にする弁護士たち」は一昨日、ろうそくデモによって被害を受けた商店のため、狂牛病国民対策会議を相手に集団損害賠償の請求訴訟を起こすことにした。訴訟を依頼した飲食店のオーナーは、「客足が遠のいて、夜眠ることもできないのに、ソン弁護士の話を聞いて怒りに震えた」と話した。幸いなことに、ここ数日間、ろうそくデモが行われていないが、熱帯夜にもかかわらず、光化門、清渓川(チョンゲチョン)の夜の風通しはよくなった。
権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com






