政府と国民が、米国産牛肉の輸入問題ばかりに気をとらわれているうちに、経済はますます落ち込んでいる。昨日、韓国銀行(中央銀行)は、4〜6月の消費者心理指数(CSI=消費者が感じる経済状況)が、08年で最低水準である86だったと発表した。指数が100以下ならば、景気が悪化したと見る消費者が多いことを示すが、3ヵ月前に比べ、約19ポイントも低下している。消費者物価は、前年比5%台の上昇が予想されている。
経済成長率見通しは、また下落に転じている。三星(サムスン)経済研究所は、今年下半期3.8%の成長に止まるものと予想しており、LG経済研究院は4.0%と予測している。国際通貨基金(IMF)は、第3四半期は3.6%、第4四半期は2.6%など、下半期に3.1%の成長に止まるものと予想している。上半期に5%台の成長に収めるといっても、原油高などの影響から国民総所得(GNI)はマイナス成長となるものとみられるが、下半期にはこれよりさらに悪化し、実感する景気が冷え込んでいるなか、全体の成長率も大幅に落ち込むだろうという厳しい予想だ。ここ10年間に中間層は大きく減り、貧困層が増えているという韓国開発研究院(KDI)の研究結果も出ている。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に、成長エンジンが弱体化するや、国民は経済再生を期待し、李明博(イ・ミョンバク)政権を誕生させたが、経済はボロボロに疲弊している。国際原油価格の急騰や世界金融市場の混迷によるところも大きいが、一方的に推し進めようとする成長政策とウォン高ドル安政策などによるスタグフレーション(低成長・高物価)の危機を招き、国民の信頼低下で、改革政策がかえって成長エンジンの更なる弱体化をもたらすなど、政府の責任が大きい。ところが、国会に登院していない野党、ことあるごとに難癖をつけて政府たたく左派勢力なども経済再生の足を引っ張っている。一部の国民も牛肉問題を過度に取り上げていることにより、政府が経済問題に専念できないようにしている側面もある。
政府は、来週に打ち出す下半期の経済運用方向で、経済安定化を強調する計画だ。経済危機に対する懸念を払拭することが、急務だと判断したためだろう。ところが、経済の建て直しを掲げた政府としては、下半期に3〜4%の成長で国民を満足させるのは容易ではないことだろう。成長と安定をどのように調和させるためには、政府、政界、国民みなが牛肉攻防からは一日も早く脱却すべきだ。





