一週間の労働時間が15時間以下の人を失業者という。昨年の韓国の失業率は3.2%で、失業者数は78万人だった。失業率が10%に上る欧州に比べると低いものだ。ところがその数値はあてにならない。周辺に、仕事に就けずにぶらぶらしている人が山ほどいるからだ。そのなぞが解けた。統計庁は昨年、韓国の非労働人口1495万4000人のうち、働く能力はあるが求職活動をしていない失業者が207万7000人だと明らかにしている。公式の失業者の3倍にもなる。
◆求職活動をせずに、家庭の仕事も手伝っていないということから、これらの人は一般失業者や専業主婦とは異なる。パートのアルバイトには見向きもしない。ところが、希望通りの仕事を見つければ、いつでもその仕事に就ける能力と意志がある。一言で言えば、自分が希望する条件を満たすような仕事がないため、何もせずにぶらぶらしているのだ。経済力のある家族、親戚に生活を援助してもらったり、以前自分が貯蓄していた金を食いつぶしながら生活している場合が大部分だ。
◆日本では似たような部類として「団塊ジュニア世代」がある。1971〜1974年に出生したこれらの世代を指す団塊ジュニア世代は、十分な学力と能力こそあるが、働く意欲、成功しようとする意志の薄い世代としてよく描かれる。韓国と日本が異なる点は、韓国は労働市場の需給のアンバランスで発生する失業形態であるのに対し、日本は仕事と生活に対する考え方そのものがまったく異なる世代が作り出した社会現象だということだ。
◆この手の失業者は、失業者として扱われることもない。むしろ「まだまだ苦労が足らん」と白い目で見られがちだ。このような失業者が多い根本的な理由は、高学歴層に見合うよい仕事が少ないからだ。疑似失業者は二重の無駄遣いをもたらす。個人的には自分の能力と資質、経験を生かせずに腐らせ、社会的には人材の効率的な配分を歪曲させる。そのため、解決策づくりは個人的な側面と社会的な側面いずれもを考慮しなければならない。企業にフレンドリーな環境を整え、よい仕事をたくさん作る一方、疑似失業者たちも仕事の条件を下げ、変化する社会と職場文化に適応するために努めなければならない。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






