Go to contents

[社説]群山・長項の土砂を活用するだけで、国の債務を軽減できる

[社説]群山・長項の土砂を活用するだけで、国の債務を軽減できる

Posted January. 21, 2008 08:16,   

大統領職引継ぎ委員会が代表的な予算浪費の事例としてあげた群山(グンサン)・長項(ジャンハン)土砂埋立地の建設工事は、大韓民国の公務員が国民の血税である予算をどれほど野放図に使っているかを赤裸々に示している。海洋水産部は2010年以後、群山・長項の航路浚渫によって発生する土砂を捨てるため、1689億ウォンかけてセマングム近くに埋立地の造成を進めてきた。セマングム地区も干拓事業をするには大量の土砂が必要だ。群山・長項の土砂をセマングムの干拓用に使えば、双方のコストダウンで8439億ウォンの予算が軽減できると、引継ぎ委は説明している。

海洋部側は、「セマングムの開発日程がはっきりしないため、しかたなかった」と釈明しているが、民間企業なら想像しがたいことだ。数千億ウォンかかるプロジェクトなら、事業妥当性に対する緻密な分析と関係機関間の協議を通じて、予算の効用を極大化するアイデアに悩むのが当然だ。

税金が無駄遣いされる現場は、今この瞬間にもあたりに散在している。年末になると、何ともない歩道ブロックを取り外して、新しいブロックに替える裏事情を国民はいまやよく知っている。予算が残ると、さっそく必要でもない装備でもとりあえず買っておき、それでも金が残る場合はカラ出張にでも行くのだ。

引継ぎ委が「予算を節減して不用額(予算を使って残った金)ができても、翌年予算を削らない」と発表したのは、予算浪費の構造的な要因を是正するという意味だが、抜本的な解決策にはならない。「歩道ブロック交換」ひとつとっても、「根絶する」という公言が数回行われたが、数十年間繰り返されている。予算を「目のないお金」、税金を「人のお金」程度に扱う一部公務員のモラルハザードを放置したままでは、どのような処方も利かない。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権発足直前の02年末、133兆6000億ウォンだった国の債務は、昨年末300兆ウォン(推定値)へ、125%も膨れ上がった。世界的な「小さな政府」のトレンドに逆行し、政府組織を野放図に育て、公務員の人件費の支出を増やしたことに起因するところが大きい。ここに重複支出、経済性を無視した投資、各種人気迎合的な事業も一役買った。国の財政も企業経営や家計のやりくりと変わらない。稼ぐ金より使う金が多くて借金で延命するような組織の先に待っているのは破産だけである。

引継ぎ委員会は、予算編成のガイドラインをまとめて省庁別に予算の10%を節減すると明らかにした。浪費の要因を取り除けば、政府支出を20%軽減するのも十分可能だと、専門家らは指摘する。「大佛(デブル)産業団地の電柱」をなくしてはじめて企業活動を生き返らせることができるように、群山・長項の土砂を活用するだけでも、国の借金をいくらでも減らすことができる。