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[オピニオン]遵法マイレージ

Posted January. 08, 2008 08:16,   

行き付け顧客に利用実績によって多様な恩恵を与えるマイレージ制度は、1981年に米国の航空会社のアメリカンエアライン(AA)社が始めた。AAは各スーパーマーケットが顧客に購買額によってスタンプを押し、これがたまれば謝恩品を与えられることからヒントを得た。国内では大韓航空が1984年にマイレージ制度を初めて取り入れて以来、今はカード会社、移動通信会社はもちろんのこと、コーヒー専門店や美容室までマイレージの積み立てシステムを取り入れないと、商売ができないほど一般化した。

◆マイレージはポイント、キャッシュバック、サイバーマネーなどに多様になりつつ、しっかりした消費生活の一つの要素に位置づけられた。マイレージを愛用する「マイラー」や「ポインター」は、映画を見てもコーヒーを飲んでも定価を払うことがない位だ。「マイレージの200%活用」「スマートなマイレージビジネス」のようなマイレージをうまく使うための説明書も出ている。マイレージやポイントの積み立てのために同じ店をよく利用する人が増え、消費パターンが似ている現象も現われている。マイレージの恩恵は、個人の身の上及び消費情報を企業に提供した対価であるだけに、恩恵とばかり考えてはならない。

◆とにかく企業の販促手段で始まったマイレージ制度が、寄付文化にまで影響を与えている。インターネットのポータル会社のネイバー(naver.com)は電子メールの使用によって積み立てられるマイレージを泰安(テアン)原油流出被害の復旧や、愛の煉炭分ち合いキャンペーン、古物商のお婆さん助け合いなどに寄付するキャンペーンを繰り広げている。新韓(シンハン)カードは2005年からポイントを政治家の後援金で寄付することができるようにし、3億4000万ウォン余りの実績を上げた。公益団体や市民団体と連携しマイレージをお金に変えて寄付する各企業も多い。

◆韓国社会に蔓延している「我がままを通らせる法」と「国民感情法」の治癒にもマイレージが利用される模様だ。法務部は企業が一定期の間、無紛糾・無ストライキを記録すればマイレージを積み立てるようにして刑事処罰を減らし、政府補助金の支給と税金賦課で恩恵を与える遵法マイレージ制度を取り入れるという。制度の効果がどれほどになるか分からないが、「駄々をこねて法を作らせる」行為が通用する時代を清算しなければならないという事実だけは明らかなことだ。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com