
「珍島(チンド)犬(賢く勇ましいことで有名な韓国を代表する名犬)」の異名を持つ許丁茂(ホ・ジョンム)全南(チョンナム)ドラゴンズ監督(52)のワールドカップ(W杯)挑戦がキックオフを迎えた。大韓サッカー協会は7日、来年2月にスタートする南アフリカ共和国W杯アジア最終予選から、代表チームを指揮する新監督に許丁茂監督を選任したと発表した。
許監督は、1998年10月から2000年11月まで代表チームの監督を務めて以来、7年ぶりに再び代表チーム監督に就任することになった。
フース・ヒディンク監督に代表チームの采配を手渡した最後の国内派監督の許監督は、ウンベルト・コエーリョ、ヨハネス・ボンフレール、ディック・アドフォカート、ピム・ファーベーク監督に続いて、7年ぶりに国内派のプライドを守った。
▲国内派の中で最高の国際経験〓サッカー協会技術委員会は、ウォルバーハンプトン監督のミック・マッカーシー氏と元フランス代表監督のジェラール・ウリエ氏に韓国行きを断られたことを受け、海外派の監督にこだわってはW杯予選準備に支障が生まれかねないと見て、国内派に急旋回した。
李ヨンム技術委員長は、「当初、外国人監督2人がだめな場合、国内派で行くことを決めていたし、2人の候補から許監督を選択した」と述べた。
代表監督は世界サッカーの流れをよく読み取らなければならない。許監督は、1986年のメキシコW杯では選手として活躍し、1990年イタリア、1994年米W杯コーチ、1998年から3年間は代表監督、ボンフレール監督時代(2004年6月〜2005年8月)の4ヵ月間、首席コーチを務めた。国内指導者のうち、最も豊かな経験を持つ。全南をFAカップで2年連続優勝に導いたこともプラスに作用した。
チョ・ヨンジュン技術局長は、「他の監督たちも立派だが、数多くの国際試合を経験している許監督が、最適任者だった」と話した。
▲来年2月6日が就任初試合〓韓国はW杯予選で北朝鮮、トルクメニスタン、ヨルダンなど比較的くみしやすい相手と対戦するため、許監督としては当面、勝敗に大きな負担はないものと予想している。許監督は来年2月6日、ホームで行われるトルクメニスタンとのW杯予選初試合が復帰舞台となる。追って、技術委員会と代表チーム初召集の日程、評価戦などを協議する予定だ。
韓国は2月中旬、中国重慶で行われる東アジア選手権大会で北朝鮮、中国、日本と顔を合わせる。3月26日には、W杯予選・対北朝鮮の遠征試合があるため、許監督としては世界の感心が集まる南北対決に気を配らなければならない。
▲韓国最高の勝負師〓許監督は、1970年代と1980年代、韓国サッカーを輝かせたスタープレーヤー。全羅南道珍島(チョルラナムド・チンド)出身で、選手時代から根強い勝負根性を見せて「珍島犬」の愛称をもつ。
1974年から1986年まで12年間、代表選手として活躍しながら、Aマッチ87試合に出場して30ゴールを記録した。1986年メキシコW杯を最後に引退後、1990年、1994年W杯で、それぞれトレーナー、コーチとしてW杯の現場を股にかけた。1998年9月、A代表チームと五輪代表チームの采配を同時に執ったが、2000年シドニー五輪で2勝1敗ながらベスト8入りに失敗し、同年アジア大会での準決勝で敗れると辞任した。
許監督は1996年から3年間、2005年から2年間、Kリーグ全南の監督を務め、レギュラリーグではいい成績は挙げられなかったものの、昨年と今年のFAカップで2年連続優勝を果たし、勝負師としての気質を遺憾なく発揮した。
yjongk@donga.com






