二人は幼い頃、貧しかった。腹ペコのままバットを振り、ボールを投げた。トレーニングが終わってからも運動場に残って、もっと練習しなければ気がすまなかった。その二人はプロで成功した。そして義兄弟になった。幼い頃の貧しさを乗越え、野球の星になった金東柱(キム・ドンジュ、31、前斗山)と朴明桓(パク・ミョンファン、30、LG)の話だ。
二人は1998年、OB(現斗山)で初めて会った。朴明桓はチュンアム高を卒業するやいなや入団したプロ2年次で、金東柱は高麗(コリョ)大学を卒業しプロ生活を始めた。朴明桓は金東柱を礼儀正しく先輩として待遇した。
「私が高校1年生の時、ベミョン高4番打者だった東柱先輩の姿が忘れられません。安打より本塁打がもっと多かったくらい巨砲でした。私も試合で何回か会いましたが、わざと四球で出した覚えがあります」
金東柱は朴明桓を、「優しくておとなしい後輩」と言った。本音を打ち明けられる数少ない大切な人だという。
そのような二人が今年は、ライバルになった。朴明桓が昨年末でFAになり、LGに移籍したからだ。金東柱と朴明桓は今シーズン、3試合対決した。金東柱は朴明桓を相手に7打数2安打に2四球を得たが、三振も3つあった。
朴明桓は、「東柱先輩が打席に立てばしきりに笑いが出た。東柱先輩もそうだったと後で言ってました」と言った。金東柱は、「打者と投手として、お互いに痛い助言もしている」と言った。
金東柱は「練習嫌いの天才」でなく「頑張っっていた選手」として記憶されたいと話した。プロ通算98勝80敗9セーブを記録中の朴明桓は、宋津宇(ソン・ジンウ=ハンファ)の最多勝(203勝)を破るのが目標だ。
二人は今冬、ソウル市良才洞(ヤンジェドン)のスポーツクラブで一緒にトレーニングしながら来年を準備する計画だ。「難しかった時代を忘れずに、もっと頑張る」と言う二人から、血より濃い友情が感じられた。
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