三星(サムスン)グループは14日、政治圏での「三星裏金疑惑特別検事法案」発議について、公式的には「ノーコメント」で一貫し、反応を自制した。
しかし、三星関係者たちは、「1、2ヵ所に落ちている爆弾を収集しようとした矢先に、原子爆弾が落ちたようなもの」と、とまどいを隠せなかった。また、経営への相当な負担は避けられないものと予想される。
財界でも、最長180日間実施される「三星特別検事」は、次期政府が展開する新たな企業関連政策や「経済再生」の足かせとなりかねず、連鎖的に他の企業にも否定的な影響を及ぼす可能性が高いと憂慮する。
●「来年の経営計画樹立に大きな障害」
三星では内部的に、特別検事法案発議について、「大統領選挙を控えて政治的な変数まで加わり、思いもよらなかったことが起きた」と、とまどいを隠せない雰囲気だ。
三星のある関係者は、「金勇𨩱(キム・ヨンチョル)弁護士の虚偽の暴露が政治の焦点となることをもっとも憂慮していたが、結局、そうなった」とし、「今は手がつけられない状態だ」とため息をついた。また同じ関係者は、「法案の内容を見ると、具体的な証拠もなく、特定企業をしらみつぶしに調べるという内容だが、とんでもない話だ」と主張する。
年末決算や来年の経営計画樹立を控えた現状で、三星特別検事という悪材料まで加わり、全般的な経営への支障を懸念する声も高まっている。
ある役員は、「今年の年末は原油価格の高騰やウォン高など、山積するグローバルな悪材料を打開する対策を講じなければならない重要な時期なのに、特別検事法案の発議で、来年の経営計画樹立など、重要日程に深刻な支障が出ている」とし、「とりわけ、役員人事など、重要な経営懸案の点検が前面的に中止された状態だ」と話す。
海外事業の比率の高い系列会社では、事実関係を離れ、企業イメージへのダメージで、海外での営業に及ぼす悪影響を懸念している。
主力系列会社である三星電子関係者は、「今回の事件が連日、外国メディアに報じられ、海外取引先からの問い合わせが殺到している」とし、「海外法人の職員は、事実関係の釈明にほんろうされている」と伝えた。
●「次期政府の企業政策もギクシャク」
財界でも、特別検事法案が発動すれば、次期政府の経済政策がスタートからギクシャクする可能性を懸念している。
ある財界関係者は、「特別検事の構成手続き上、早くとも捜査開始は年末以後であるうえ、特別検事期間も最長180日だ」とし、「来年上半期(1〜6月)は、新政府が経済活性化のための新たな企業関連政策を打ち出す時期だが、かえって、特別検事の結果をまず見守らなければならないという状況が起こりかねない」と指摘する。
特別検事のあおりは、三星のみならず、他の企業へも広がりかねないという指摘も出ている。全国経済人連合会の幹部関係者は、「特別検事のニュースそのものは、真実とは関係なく、『三星に何か問題でもあるのでは』という否定的なイメージを伝えることになる」とし、「これはほかの企業も同様だろうという漠然とした認識を拡散させ、反企業のムードを助長する可能性が高い」と話す。
また別の財界関係者は、「三星をめぐる議論が、『不正VS反不正』など、政治圏の大統領選挙攻防へと広がっている」とした上で、「今回の大統領選挙でも相変わらず、企業を政治的な目標達成のためのいけにえにしているような気がしてならない」と批判する。
ある民間経済研究所役員は、「韓国の経営風土に対する否定的な認識が広まれば、コリア・ディスカウントが憂慮されるなど、国家競争力がダメージを受けるだけに、今回の事件を政治的な事件に拡大するのは望ましくない」と強調する。
bae2150@donga.com






