世界最高峰のプロサッカーリーグは、イングランドのプレミアリーグだ。ところで、どうしてイングランドは世界最高の代表チームが作れないのか。答えは質問の中にある。
世界最高リーグが、ずば抜けた外国人選手たちをブラックホールのように吸い込んでいるからだ。その代わりに、プレミアリーグで成長すべき地元の選手たちは機会を奪われている。
結果的にイングランド代表は苦労を強いられる。ユーロ2008(2008年欧州サッカー選手権大会)本戦進出もすでに遠ざかったようだ。
イングランドと言えば、世界サッカーのイコンであるウェイン・ルーニー、スティーブン・ジェラード、マイケル・オーエン、ジョー・コール、ジョン・テリー、リオ・ファーディナンドの国ではないか。このようなすごい選手たちがロシア代表チームに負けたりもする。何が問題なのか。
イングランド代表チームを、現在よりもずっとうまく指導できる一人の名が思い浮かぶ。フーズ・ヒディンク。彼はオランダ、韓国、オーストラリア代表チームを、そのレベルで最高のチームに成長させた。今はロシアでそうしている。
惜しまれるのは、ヒディンク監督が現在、モスクワでなくロンドンにいる可能性があったということだ。イングランドサッカー協会には06年ドイツW杯直前、彼を次期監督に迎え入れるチャンスがあった。しかし、ヒディンク監督はロシアへ行き、すでにモスクワで、知略を駆使した戦術でイングランドを下している。
ヒディンク監督はイングランド代表チームの選手たちに詳しかった。彼はイングランドのDFラインがすべて中央に偏っており、左の守備が弱点であることを見抜いた。ロシアはその部分に集中的に付け込んだ。
反面、イングランド代表チームのスティーブ・マクラーレン監督の戦術は凡庸すぎた。ミドルスブラ監督時代の彼を覚えていれば、それは驚くことではない。当時、ミドルスブラはあまりにも無得点、引き分けの試合が多く、試合を見ている途中で眠ってしまったことは一度や二度ではない。マクラーレンは決してインスピレーションを与えるような人物でない。勝利に向かって突き進むヒディンクのような人とは正反対だ。マクラーレンはかえって恐怖を伝染させ、所属チームで猛獣だった選手たちを、代表チームではおとなしい羊に変えてしまう。
マンチェスター・ユナイテッドのルーニーと代表チームのルーニーは別人だ。マンチェスターでルーニーはクリスチャーノ・ロナウド、ライアン・ギグス、カルロス・アルベルト・テベス、ルイ・サハ、ポール・スコールズといった才能の長けた選手たちのおかげで、思うがままプレーできた。代表チームでは、ルーニーはあまりにもたくさんのことを一人でやろうとする。ロシア戦では芸術的なゴールを決めたにもかかわらず、ファウルで相手にペナルティキックを与え、同点ゴールを許した。イングランドに必要だったのは、冷徹な頭脳と落ち着きだったが、選手たちは右往左往していた。
それから3日後、リバプール・エヴァートン戦で意味深な出来事があった。この試合でスペイン出身のラファエル・ベニテス・リバプール監督は、ジェラードの代わりに、プレミアリーグでプレーしたこともない20歳のブラジル出身の新人、ルカス・レイバに主将の腕章を付けさせたのだ。
その理由についてベニテス監督はこのように話した。頭を使う選手が必要な時、感情に振り回されるプレーをしている。ジェラードは一人で走りすぎ、パスをしなくなったという意味だ。ジェラード主将のイングランド代表チームがモスクワでやったのがまさにそれだった。理性の代わりに感情が支配した。そしてヒディンク監督はベニテス監督と同じく、その点を見抜いた。
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