昨年末から今年初頭にかけて、京畿道(キョンギド)南部地域で相次いで行方不明となった女性4人のうち、水原(スウォン)で姿を消した朴氏(36・女)が死体で発見されてから1週間。警察は事件を失踪から殺害事件に変更し、捜査人員を増やし、被害者の追加発見を見込んで、大々的な捜索を行ったものの、今のところ、これといった手がかりは見つかっていない。
警察の捜査がなかなか進まない中、凶悪事件としてははじめて、今回の事件に外部の諮問チームとして参加した専門家たちは、「事実上、連続殺人とみなすべきだ」と主張し、これを前提に捜査を進めるべきだということに意見が一致した。解決されずじまいとなった「華城(ファソン)連続殺人事件」の悪夢のため、4つの失踪事件の関係性をわざと薄めながら「連続殺人」の可能性を避けようとしてきた警察としては、困惑せざるをえない状況だ。
●果たして同一犯だろうか?
失踪した4人ともに、距離や道路、バス停周辺など、比較的人目につく場所から連れ去られたものと推定される。このうち、亡くなった朴氏やペ氏(45)、会社員の朴氏(52)などは華城市飛鳳面(ピボンミョン)の周辺で携帯電話が切れている。とりわけ、女子大生のヨン氏(20)をはじめ、みな、失踪から現在まで、これといった足跡が明らかになっていない。
京畿(キョンギ)大学犯罪心理学科の李スジョン教授(43)は、「4件とも同一犯の可能性がある」としながら、その根拠として、「連続殺人事件は回数を重ねるほど、手口や方式が進化するという特徴」を挙げた。
とりわけ亡くなった朴氏と失踪したペ氏の場合、カラオケ店でホステスとして働きながら、出勤や退社の時間、働いていた場所など、ライフスタイルが似ており、同一犯の仕業である可能性が非常に高いと推定された。
順天頲(スンチョンヒャン)大学警察行政学科の張錫憲(チャン・ソクホン)教授(47)は、「亡くなった朴氏とペ氏は類似業種で働くなかで大勢の人たちと知り合いになっただろう」としながら、「同一犯の可能性が高い」と分析した。
●連続殺人の可能性
今回の失踪事件が同一犯の仕業である可能性が高まり、また別の連続殺人に飛び火するのではないかという懸念を生んでいる。
警察大学行政学科の表蒼園(ピョ・チャンウォン)教授は、「車を利用して女性を乗せた後、犯行に及んだという側面から、かつてのオン・ボヒョン事件や龍仁(ヨンイン)連続殺人事件と酷似している」と指摘した。『韓国の連続殺人』の著者である表教授は、「遺体の状態や遺棄方法などから見れば、かつての華城連続殺人事件やユ・ヨンチョル事件とも似ている」としながら、「結局、さらに緻密に準備された計画的な犯行だと見るほかない」と述べた。
もちろん、異なる点もある。オン・ボヒョン事件の場合、「自分の年齢と同数の女性を殺す」という衝動的な犯行だった。龍仁事件も金品が犯行の目的だったのに対し、今回の事件は、被害者の職業からすると、金品をねらったものとは考えにくい。
かつての華城連続殺人事件当時、捜査の総指揮を担当したチョン・ソクジュン元京畿地方警察庁・暴力係長(69)は、「原則として、『連続』というのは同一犯が同じ手口で犯行を行った時に限って使う」としながら、「犯行の手口は似てはいるが、女性誘拐事件の手口は似通うものなので、4事件がつながっているとは考えにくい」と指摘した。
●警察の捜査はどのように
警察は朴氏の遺体が発見された安山市(アンサンシ)ササ洞の丘陵地帯の周辺で捜索や発掘作業を行っている。また、失踪の時間帯に朴氏の携帯電話の電源が切れた飛鳳インターチェンジの周辺から遺体発掘地域までの道路を通過した車に対する防犯カメラの資料や携帯電話の基地局利用者を確認しているが、これといった手がかりは見つかっていない。
これについて専門家たちは、連続殺人などあらゆる可能性を開いて、様々な情報や手がかりを体系的に整理、分析する過程が必要だと口をそろえた。一言でいえば、「時間との戦い」に備えろということだ。
表蒼園教授は、「これからは膨大な捜査結果を体系的に整理、分析することが重要だ」としながら、「これまでの捜査結果を開かれた心で見つめることが必要だ」と指摘した。
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