「サンドイッチ意識は、しばらくは『自彊息まず(自ら努め励んでやまない)』と『居安思危(安きに居て危うきを思う)』のやる気を奮い起こすこともできるが、長期的には偏見と消極的な態度を招き、韓国が東アジアで主導権を逃す恐れがある」
中国社会科学院アジア太平洋研究所の楊丹志博士が6日、新華通信が発行する時事週刊誌「国際先駆導」に寄稿した文書の一部だ。
楊博士は、「日中に挟まれた韓国のサンドイッチ心理状態」というタイトルの文書で、「真の強国になるには、国民の健全な心理状態で、韓中日3国いずれもが開放と包容の国にならなければならない」と強調した。
最近、韓国で急激に起こっている「サンドイッチ論」には肯定的な面もあるが、度が過ぎる場合、副作用もこれに劣らないという指摘だ。
以下は寄稿文の要約。
「最近韓国で、韓国は中国と日本の間に挟まったサンドイッチの具だとする『サンドイッチ論』が起こっている。このような意識は、歴史的にも由来が深く、最近の現実にも原因がある。
まず、歴史的に形成された大変深い被害心理と危機意識だ。韓国は、地政学的に中国とロシア、日本、米国の4大国に挟まった緩衝国だ。韓半島では大国の利益が衝突し、近代以降国家が没落し、さらには分裂する被害を受けた。これは、韓国人にとって絶対に忘れられない傷を残した。韓国人自らしばしば、『鯨のけんかでエビの背中が裂ける(強い者どうしの争いに弱い者が巻き添えを食って損害をこうむること)』と言うように、大国が交わす交渉で犠牲にならないか、常に憂慮するようになった。
1970年代以降の日本経済の迅速な発展と1980年代の中国の発展は、韓国にさらにこのような疑念を抱かせた。しかし、韓国経済も同様に急速に発展した。しかし韓国は、東アジアの協力の過程で大きな喪失感とともに、発言権が消え周辺化する境遇に置かれるのではないかと非常に危惧している。
北東アジアの民族主義の勃興は、韓国のサンドイッチ心理状態の現実的根源だ。冷戦後、民族主義が全世界に拡散し、北東アジアでも程度の差はあれ、韓中日において民族主義が高まった。
1970年代以降の韓国の経済発展は、韓国の民族主義の高揚および膨脹の主要動因だった。韓国は、国際舞台でも新たな役割を見出し、最近は連合国の外交を大きく強化させた。韓国は、国際組職の活動に積極的に参加し、全力を尽くして韓国文化を全世界に伝えている。『韓流』が形成されたのもこのためだ。
しかし韓国は、東アジアの安全および経済協力の分野で役割を増大できなかった。これに対して韓国は日中両国をうらめしく思い、合理化を進めている。
韓国人は最近、自信の膨脹と自信の欠如の間で大きく動揺している。真の強国になるには、強大なハードウェアとソフトウェアも建設しなければならないが、もっと重要なことは健全な国民の心理状態だ。韓中日3国は、開放と包容の国家にならなければならない」。
orionha@donga.com