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1日の食事代、ソウル>東京>クアラルンプール

1日の食事代、ソウル>東京>クアラルンプール

Posted January. 03, 2007 03:00,   

05年アジア・太平洋地域の観光市場の成長率は7.8%だった。世界中が数年目相次ぐテロと自然災害で恐怖に包まれているが、アジア地域だけは世界平均4%の2倍に迫る数値で観光産業が急成長しているのだ。

「21世紀の成功都市になるためには、観光開発を目指さなければならない」という認識は、韓国でも高まっている。

政府が2010年、観光客1000万人突破を目標に打ち出した中、選挙公約から「観光ソウル」を掲げた呉世勳(オ・セフン)ソウル市長は、目標を1200万人に高めて設定した。韓国観光客の80%が訪問するソウルが「観光都市」になることが観光韓国を成す関門だからだ。

しかし、夢を実現することは決して簡単そうに見えない。

最大のネックはモナコのモンテカルロ、フランスのパリに次いで「世界3位」水準であるソウルの滞在費だ。

●スターバックスのコーヒー価格は、1000ウォンの差

昨年12月20日昼、日本東京市内の中心街にある新東京ビル地下1階のフュージョン飲食店「大戸屋」。昼食タイムには普通10〜20分ずつ並ばないといけないこの人気飲食店で特選大戸屋ランチ(598円)とさば焼き定食(640円)を注文した。合計が1238円。「100円=783ウォン」の為替レートを適用すれば、9694ウォンで1万ウォン弱だ。1人当たり5000ウォンなら、日本のホワイトカラーのサラリーマンたちが楽しむ「まあまあの水準の」昼食を食べることができるわけだ。

食事を終えた後、食堂の向こう側の「スターバックス」に立ち寄って韓国で3800ウォンのカフェラテミドル(tall)サイズを注文した。一杯の価格は360円。韓国より1000ウォン近く安い2819ウォンだった。

3日後の12月23日、マレーシアの首都クアラルンプールのプトラ世界貿易センター(PWTC)近くのショッピングモール内のフードコート「ハントゥア」。年間観光客2000万人に迫る観光大国の首都、その中でもソウルで言えば江南(カンナム)のビル街であるこちらでは、韓国のお金で1000ウォンで一食の食事を解決することができた。混ぜご飯の「ナシじゃンボ」、麺を豆腐、海老、たまごなどと一緒に炒めた「ミゴレン」などが飲み物込みで5リンギット(1315ウォン)だ。食事代に比べれば法外に高いスターバックスのカフェラッテ(ミドルサイズ)の販売価格も9.5リンギット、韓国のお金で2499ウォンに過ぎなかった。

米国で発刊される観光産業専門誌の「ビジネストラベルニュース」が発表した06年の世界100大都市の滞在費によると、食事代(特1級ホテルを利用するビジネスマンの朝食・昼食・夕食の費用)だけでは、ソウルが202ドルで世界の富豪らの休養地であるモンテカルロに次ぎ、世界2位だった。東京は158ドル(8位)でソウルより44ドルも少なく、クアラルンプールは127ドル少ない75ドル(68位)だった。

05年の発表時にはソウルの1日の食事代は134ドル(23位)、東京が156ドル(10位)だったが、1年で逆転されていたのだ。ホテルの宿泊費も、ソウルが05年313ドル(42位)から06年365ドル(14位)へと52ドル上昇した反面、東京は同期間456ドル(5位)から384ドル(9位)へと72ドルとむしろ減少した。05年の112ドルから今年の109ドルと、小幅ながらホテル代が安くなったクアラルンプールは2年連続、調査対象100大都市のうち100位を記録した。

●中低価格のホテル建てなければならないが、地価が高く

「あまりにも高い都市」ソウルの価格競争力の弱みが実際、観光産業に及ぼす影響は観光客数でそのまま反映される。

05年602万人だった韓国の年間外国人の観光客数は06年615万人に小幅の増加に止まった。しかし、年間外国人観光客数で韓国に遅れていた日本は03年から韓国を追い越し始め05年は673万人、06年は730万人へと格差を広げ続けている。

マレーシアの勢いはもっと手に負え難い水準だ。

98年500万人水準だった年間外国人の観光客数が、2年ぶりに1022万人(00年)に増えたのに続き、02年1329万人、04年1567万人、06年1740万人などへと「夢のような」高空行進を続けている。

中国人の観光客を主に相手にしている国内「チャンス旅行社」のチャン・ユジェ社長は、「日本人の次に韓国を多く訪れる観光客が中華圏だが、韓国の滞在費が東南アジアと比べられないほど高くて観光地としての魅力を失いつつある」と説明し、「観光インフラ、見どころ、体験の面でも自慢するようなものがないのが悩みだ」と打ち明けた。

三星(サムスン)経済研究所のカン・シンギョム首席研究員は、「最近、ソウル市が政府に要請したとおり、ホテルに課せられる各種の税金負担を減らし、宿泊料を引き下げる試みは多少役に立つとしても、根本的な解決策ではない」と述べ、「100ドル前後で利用できる中低価格のホテルの供給を増やさなければならないのに地価が急騰し、これさえも容易でない実情」だと指摘した。



esprit@donga.com