「度量衡の変更は、不動産業界だけの問題ではありません。50平方メートルの居間には6000Wのクーラーが必要だという言葉を、誰が理解できるでしょうか」
来年7月から坪、斤、インチ(inch)、フィート(feet)など「非法定単位」の度量衡を使えば、過料を課すという産業資源部(産資部)の方針が発表された後、産業界が少なからずストレスを受けている。政府がこのような措置を強行すれば、現実的に消費者の混乱を招くばかりでなく、企業の生産費用も嵩張るからだ。
▲消費者の混乱は欠かせない〓企業が一番心配しているのは、消費者が新しい単位をよく理解できないという点だ。ある電子メーカーの関係者は、「現在はクーラーの冷房能力に対する消費者の理解を助けるため、Wの代わりに『○○坪型』という表現を使っている」と説明し、「○○平方メートル用とか○○Wという言葉を理解するお客様は、ほとんどいないだろう」と述べた。
坪と尺を主に使っているインテリアや家具メーカーも、同じ悩みを抱えている。ある大型インテリア会社の代表は、「底の材料や壁紙の見積書に坪単位が入らなければ、消費者は理解できない」と話した。同氏は、「これから見積書や契約書に坪単位を表記しないため、換算表を作って添付する方法を考慮している」と付け加えた。
▲企業の費用負担も嵩張る〓度量衡の変化がもたらすコストの増加も心配だ。まず、消費者に新しい単位を知らせるためには、莫大なマーケティング費用が必要だ。しかも製品の包装、広報物や使用説明書も新しく作らなければならない。
輸出と内需型の製品を別々に作らなければならないのも問題だ。タイヤ業界は、インチで表記する輸出型とミリメートルの単位の国内型モデルを別々に作らなければならない点を心配している。こうなれば、別途の製品造型のための設備が必要で、不要な設備投資費がかかる。
錦湖(クムホ)タイヤ関係者は、「輸出用と内需用を別々に作れば、需用予測と在庫管理が複雑になる」と話し、「国内用の在庫品を海外に販売できなくて、在庫管理費ばかり増えることになりかねない」と説明した。
▲政府は既存の原則を固守〓産資部は、「卓上行政」という産業界の反発にも関わらず、標準計量単位を徹底して適用するという方針を固めた。違反事項に対しては、徹底して取り締まりを行う計画だ。産資部・標準品質チームの金パンス事務官は、「同じ斤単位でも野菜や肉類など、品目によって基準が違うため混乱が多い」とした上で、「不正確な計量単位のため、消費者も被害を受けている。制度の定着のためには取り締まりが欠かせない」と述べた。
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