Go to contents

[オピニオン]大統領府秘書の等級

Posted July. 28, 2006 03:45,   

権力は、「取っ手を握った者のもの」という言葉がある。権力者に会える場所と情報ルートを掌握した側近が力を持つという意味だ。中国の秦の始皇帝の時代の宦官・趙高がそうだった。始皇帝が急死するや、趙高はその事実が漏れないように遺体に塩をまいた。時間を稼いで詔書をねつ造し、「父の名で」王位継承権者である長男の扶蘇を自決に追い詰める。そして愚鈍な末子を即位させて操り、実権を握った。

◆中国王朝史に伝説的な側近の専横もある。気力がなくなり息絶えつつある皇帝が、宦官の手の平に筆で「十四」と書く。十四番目の息子を後継者にと伝えたのだ。しかし宦官は、「十」を舌でなめてしまう。こうして四番目が権力を継承することになり、皇帝は死ぬ。この宦官は、四番目の息子の側だったのだ。宦官は「政権引継委員長」となり、世の中を掌握していった。

◆米国といえども違いはない。大統領執務室まで歩いて数分内で行けるウェスト・ウイング(西館)に勤めてこそ「実勢」と言える。政権が変われば、誰がウェスト・ウイングの巣を取り払うかがニュースになる。大統領によく会えるということ自体がパワーだ。大統領府の儀典秘書や付属室長は、会談スケジュールを扱うのが役目だ。彼らに法的に「大きな権力」があるはずがない。しかし彼らの権力は莫大だ。大統領のすぐそばで「取っ手」を握っているためだ。

◆大統領府の「実勢秘書の版図」があらわれた。高級公務員団という束の中で、カナダラマ順に優先順位がつけられた。「カ」クラスには儀典、付属室長をはじめ、国政状況室長、演説企画、総務、広報企画、民情、人事管理、安保戦略、報道官などが入っている。彼らは省庁から来た「マ」クラスより最高で約1000万ウォン程年俸が多いという。側近実勢なら、パワーにふさわしく清廉で、「苦言」も述べなければならない。大統領弾劾を主導した「ミスター苦言」が政治家として復活するのを見て、大統領側近たちは自省しなければならない。

金忠植(キム・チュンシク)論説委員 skim@donga。com