13日午後、京畿道南揚州市(キョンギド・ナムヤンジュシ)南揚州葬儀式場。転任した海兵勇士およそ20人が同午前に亡くなった海兵戦友会・南揚州支会長の李スンウ(48、南揚州市退渓院面)さんの葬儀室の前で、うつむいたまま泣いていた。
今回の大雨で行方不明になった環境美化員(清掃員)を探すためにわずか数時間前まで、李さんと一緒に捜索作業に臨んでいた彼らは、李さんの突然の死亡が信じられないようだった。
前日の12日。午前から大雨が降ると、これといった連絡が行かなかったにもかかわらず、南揚州市海兵戦友会のメンバーらが一人二人ずつ事務所に集まってきた。彼らは李さんの指揮により、ワンスク川付近で車両を引きあげる作業を支援したり車両の通行を統制したりするなど、自発的な活動を繰り広げた。
日が沈むごろ「排水作業中だった環境美化員が急流にまきこまれ、行方不明となった」という情報が入り、李さんは、ためらわずに事故現場のピョルネ面ヨンアム川に足を運んだ。
「家族が非常に心配しているはずだ。みんなの安全のために努め、事故にあったのだから、もっと一生懸命探そう」
早朝からの活動で同僚隊員らはすでに疲れきっていたが、いつものように、そんなふうに話す支会長を一人で行かせることができず、皆合流した。
夜遅くまで探したが、捜索に失敗したメンバーらは、13日午前、潜水服まで準備して集まり、捜索作業を再開した。李さんは後輩らが潜水服に着替えようとすると、微笑みながら「これは私の仕事だから、君たちは水に入らず、よく見回るように」と指示した。
この日の10時半ごろ、潜水服に着替えて、橋に沿って河川の中間くらいまで入り、行方不明者の遺体を捜していた李さんは突然、体のバランスを取れなくなり、急流にまきこまれてしまった。
見守っていた後輩らが水に飛び込んだが、急流があまりにも荒いうえ、大雨で水かさが大きく増していたため、李さんを救うことができなかった。
後輩の海兵戦友チ・ミンギュ(43)さんは「危険なことは全部自分でやろうとし、他人のためのことには必ず率先していた義に徹した方だった。そんな方がこんな事故にあうなんて…」とした後、話を続けられなかった。
3年前から支会長を引き受けた李さんはこれまで地域のために多様なボランティア活動を繰り広げてきた。家業として運営したスーパーマーケットを数カ月前に整理した後は、知り合いに「今後はボランティア活動に専念したい」と話してきた。
李さんは痴呆症で苦労している老母を数年間扶養しており、妻と軍に入隊した息子、大学3年の娘を持つ責任感にあふれる家長だった。
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