北朝鮮が、国際社会の反発が明らかな状況でミサイル発射を強行した理由は何か。米朝2国間直接対話の要求が拒否された状況で、挑発を敢行して逆に米国の関心を向けさせようとする北朝鮮特有の「瀬戸際戦術」という分析が支配的だ。
▲なぜ発射したのか?〓5月初めから浮上していたミサイル発射を突然強行したのは、韓半島の緊張を最大限に引き上げ、米国に対して2国間交渉に応じろというメッセージを伝えることに、一次的な目的があるとみられる。
先月末、在日朝鮮人総連合会機関紙の「朝鮮新報」や北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)国連次席大使が、米国に対して北朝鮮を交渉パートナーとして認めるよう要求したが、米国はこれを拒否し、むしろ北朝鮮への圧迫を強化する方向に出た。
北朝鮮のミサイル発射は、このような状況を突破して、内部体制の結束を固めるための苦肉の策と分析される。
西江(ソガン)大学政治外交学科の金ヨンス教授は、「米国と日本が、北朝鮮の体制転換を露骨に要求している状況で、金正日(キム・ジョンイル)総書記は体制維持が難しいという判断に至ったようだ。ミサイル発射は、問題を起こして問題を解決するという正面突破の方法だ」と話した。
成均館(ソンギュングァン)大学政治外交学科の金テヒョ教授も、「ミサイルを発射しなければ、北朝鮮内の軍部を含む少数精鋭エリートの反発など、内部的問題もあったと考えられる」と述べた。
すでに米国の経済制裁を受けている状況で、これ以上失うものはないという判断も、発射強行の要因とみられる。98年の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「テポドン1」を発射した当時も、国際社会は国連安保理による強力な制裁の声が高かったが、中国などの消極的態度によって、結局、議長声明の発表で終わった。
▲発射の得失は?〓ミサイル発射を強行した場合、得るものよりも失うものの方が多いというのが、国際社会の一般論だ。しかし、北朝鮮式の計算は違う可能性がある。対米交渉力の向上という対外的效果や、結束力の強化という対内的效果を得ることができると判断したと分析される。
内部体制の結束は、短期的には可能だと考えられる。最大射程1万200キロのICBM「テポドン2」の発射が成功した場合、中東に局限して輸出しているミサイルや部品、技術に対する潜在的な顧客リストが、画期的に増える可能性もあった。
しかし、北朝鮮の思惑がどうであれ、「テポドン2」発射実験が失敗に終わったことで、北朝鮮はすべてを失う危険に直面したものとみられる。
テロとの戦いや大量破壊兵器(WMD)拡散防止を新しい世界秩序の2大軸と考えている米国としては、話を聞かない「ならず者」の北朝鮮に対し、経済制裁などの圧迫をさらに強化することは間違いない。
米国と密接な協力を誇示する日本が、それに積極的に同調すれば、金総書記の統治資金源が完全に封鎖される可能性もある。
北朝鮮が得ようとする窮極的な目標の一つである米国との2国間交渉など、関係正常化はさらに困難になる。バーシュボウ駐韓米国大使は5日午前、ソウルのグランド・ハイヤット・ホテルで開かれた能率協会の招請講演で、「北朝鮮は、ミサイル発射に相応する対価を支払うだろう。6者協議当事国は、北朝鮮のミサイル発射はもはや容認されず、他の道を選択すべきだというメッセージを送る努力をするという点を協議しなければならない」と述べた。
唯一、対北朝鮮支援を続けている韓国政府の立場も弱くなる。伝統的な友好国であるロシアと中国も、今回の発射には不満な様子だ。
結局、短期的な体制結束の效果はあっても、国際社会の圧力が強化されれば、金正日体制の存立自体が危うくなる可能性も排除できない状況だ。
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