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[オピニオン]「借金ダイエット」

Posted June. 03, 2006 03:12,   

肥満が肉体の病気になるように、借金は心の病を育てる。なつめの木に凧がかかっているように、負債が絡まると心は風の止む日がない。「借金のない人生」という本は、「米国の離婚の増加が個人の負債の増加と同じような上昇曲線を描いている」と診断している。家計の借金が増えると、結婚生活にひびが入り家庭が破綻しかねないということだ。それで、英国人は早くから、「借金は自由人を奴隷にする」「負債は最悪の貧乏だ」「借金を得て心配を得る」などの警句を受け継いでいるのかも知れない。

▲借金のある罪人と言われる。お金を借りれば、債権者の顔色を伺いながら、醜く卑屈になりかねない。高い利子の返済のために他の財産にまで損失が生じる。そのため、負債を減らす「借金ダイエット」は幸せになる秘訣の一つだ。借金がなければ、家族同士でお金のために神経を尖らせて言い争いをする回数も減る。債権者の督促を避けて逃げ回る必要も、電話ベールが鳴るたびにいらいらする恐怖を感じる必要もない。

▲世界の金融を動かすユダヤ人は、借金しないことで有名だ。子孫に「借金はしないのが得策であり、仕方なく借金するようになれば、急いで返さなければならない」と教える。ロッテの創業者の辛格浩(シン・ギョクホ)会長をはじめ、在日韓国人の富豪も似たような哲学を持っている。そもそも信用が弱くて、日本の銀行から融資できるような境遇ではなかったので、「借金を使わない経営」が基本だ。彼らは、国内の企業家が巨額の負債を抱えて「帳消ししてもらいたい」と政府や銀行にただをこねる姿を見ると、理解できないと慨嘆する。

◆借金は節制しにくいという点で肥満と通じる。食べすぎの習慣のように、一度始まると、過消費と負債の沼から抜け出るのは簡単でない。切羽詰まっていたからこそ借金をしたのだと言い返す人もいるかも知れないが、借金も習慣であることは確かだ。一時期、ベストセラーに上がった「清貧の思想」は、まさに昔の人の簡素な暮らしが見せてくれる「心身ダイエット」の幸せを教える本だ。むやみにカードキャッシングで借金をして、自殺するより、初めから「持っているもの」だけを楽しむのも知恵だ。

金忠植(キム・チュンシク)論説委員 skim@donga.com