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分配→成長効果?

Posted April. 03, 2006 03:00,   

●分配が成長に及ぼす効果不明

大統領府は「分配政策は経済成長をもたらすことができる」と主張する。

しかし、コ研究委員は「1990年以降、多くの分析で『所得格差が小さいほど成長が高い』という結論が出ているが、統計分析方法の適正さが問われているのが現状だ」と述べた。

たとえば、1960〜90年に経済成長率と分配の物差しとなっていたジニ係数の相関関係を分析したが、成長には分配のほかに多様な変数が働くということを見逃したということだ。

むしろ、00年の実証分析では「所得格差が大きいほど、成長率が高い」という結果も出ている。コ委員は「分配の公平性が経済成長に必ずしもプラス影響を及ぼすとは限らない」と説明した。

彼は米国の経済学者であるアンド・カレー氏が80カ国に対し、約40年間にわたって分析した資料を紹介した。結論は経済成長が高所得層と低所得層にほぼ似たような所得改善効果をもたらすということだ。

コ委員は「このような結果は、分配の悪化が経済成長によるやむをえないツケではないということを裏付けるものだ。成長と分配は、どこに優先順位を置くかではなく、同時に目指すことのできる目標だ」と話した。

●韓国「小さい政府」?

04年現在、韓国の財政支出は国内総生産(GDP)比27%で、フランス(54%)、ドイツ(47%)、英国(44%)、米国および日本(37%)より少ない。政府はこれを根拠に「韓国はまだ小さい政府だ」と主張する。

ところが、コ委員によると、社会給与と利子支出を除いた財政支出率は韓国が24%で、米国(21%)、日本(24%)より高く、ドイツ(25%)、英国(28%)、フランス(32%)との差も大きく縮まってきている。

コ委員は、韓国が現在1人あたりの所得1万5000ドル前後、財政支出枠30%前後、福祉支出枠10%前後で、先進国の1960年代と似ていると指摘した。すなわち、所得や社会福祉水準で、30年以上も進んでいる先進国の財政支出枠と単純な比較はできないというわけだ。

続いて、特定水準をあらかじめ定めておき、福祉支出を増やしていけば効果と効率が低下しかねないなど、先進国の徹を踏む恐れがあると指摘した。

欧州連合(EU)は昨年の総合経済政策指針を通して、メンバー国が成長促進形財政支出枠を拡大するように勧告したということも紹介した。

●社会福祉の効率化をはかるとき

韓国は今後、高齢化のスピードからすると、財政負担増が必至とみられるが、むやみな福祉支出枠の拡大よりは、福祉政策を全般的に見直して効率性を高める方策を模索すべきだと指摘した。

まず、現政権の保育、教育、住宅、国民年金、健康保険などと関連する分配政策の全面改変が不可欠だと勧告している。現在、これらの政策は実際に支援が必要な低所得層にたいした助けになっておらず、中上位階層に恩恵を与える場合が多いということだ。

とりわけ、今後は全体老人の半分以上が国民年金の恩恵が受けられないことを警告し、国民年金の役割を縮小する代わりに、65歳以上の基礎生活保障対象者に敬老年金を拡大するなどの改変が必要だと指摘した。

さらに、保育市場に対する政府支援のやり方を、国立・公立法人施設に対する支援から需要者の個人に対する支援に変えるべきだと提案した。



witness@donga.com