忠清南道天安市(チュンチョンナムド・チョンアンシ)の金氏(35)は、有名ブランドの在庫衣類を廉価で販売するいわゆる「在庫整理格安販売」事業で月平均1000万ウォン以上を稼いでいる。にもかかわらず、国民年金に加入さえしていない。金氏は「今から国民年金を欠かさず払ったところで、私は利益を享受できないのではないか。代わりに、私と妻の老後のため保険会社の個人年金に毎月40万ウォンずつかけている」と話した。
京畿道水原市(キョンギト・スウォンシ)のクォン氏(43)は、果物のトラック行商の収入が芳しくないため国民年金を払えずににいたが、昨年9月未納金が200万ウォンまで膨らんでしまった。国民年金管理公団がトラックと預金通帳を仮押収したが、それを無視したまま支払わなかった。しかし、クォン氏は結局別の商売をするためトラックを手放さねばならず、悔しい思いでいっぱいだが、クレジットカード10ヶ月の割賦で保険料を支払い、押収を解除してもらった。
国民年金が導入されて8年、「給付額増、受給額減」を柱とする年金改革案が出て2年半が過ぎたが、政界は本格的な論議一つせずにいる。そのため、国民年金問題は時間が経つほど暗礁に乗り上げてきている。
東亜(トンア)日報が単独で入手した韓国開発研究院(KDI)と韓国社会保険研究所の分析によると、2年半の時間の無駄遣いのため、基金が底を打つのが当初2047年から2040〜2042年頃へと5〜7年も繰り上げられた。そのため、子供たちの世代は良くも悪くも約70兆ウォン、毎日800億ウォンの借金を負うことを余儀なくされる。
制度にメスを入れず、現行制度の仕組みを2030年までそのまま維持すると、この借金は雪だるま式に膨らみ、1883兆ウォンに上る。
そのような中で10日、 柳時敏(ユ・シミン)保健福祉部長官が就任し、大統領、首相が相次いで国民年金の改革について発言したことから、年金改革問題は今年最大の国政懸案の一つとして位置づけられる見通しだ。
国民年金管理公団の未公開資料によると、年金改革作業が遅れて、国民年金に対する国民の不信、不安、不満など、いわゆる「国民年金3不現象」がすでに危険水域に達していることがわかった。05年10月、国民年金管理公団が専門の世論機関に依頼し、加入者および受給者1200人を対象に実施した「国民年金に対する満足度」調査で、「不満足」は46.5%であり、普通37.2%、満足は16.3%にとどまっている。
本紙が同月はじめ、年金専門家25人を対象に実施した意見調査でも「公的年金制度改革は、現実的にいつごろ可能になると考えるか」という質問に、「年内に」と回答した専門家は8人(32%)に過ぎなかった。






