前生に仇敵だった間柄は現世で夫婦として出会い、愛し合った間柄は親子として出会う、という話がある。ケンカばかりする夫婦を見たり、睦まじい親子を見ると実感される。来世に夫婦として会うことになる現生の仇敵にも親切にし、来世に親子として会う人にはより親切にするしかないのではないだろうか。
◆元老詩調詩人の草汀・金相沃(キム・サンオク)先生が、夫人の別世後、食事も採らず悲しみ、葬儀後に墓地に行くその途中、この世を去ったという。享年84歳、夫人が世を去って5日後のことだ。落傷のため車イス生活で老年を送っていた詩人を15年の間「粉骨碎身」して世話をしてきたという妻である病床の夫人に「お前と前世で会ったようだ。私たちの現世はすべて終わったようだな」と独白したという詩人の切なさが胸を濡らす。
◆春園李光洙(イ・グァンス)が書いた小説『愛』の主人公「アンビン」の実際のモデルである故張起呂(チュン・ギリョ、1911〜1995)博士は、北朝鮮に残した妻を思い、約40年間1人で暮らした。昔の恋人が主人と死別するや、変わらない愛を告白して受け入れた初婚の主人もおり、毎年新しい主人とともに前の主人の命日には墓に花束を捧げる再婚妻もいる。浮気した妻を許して「妻に魅力があるからだ」という語録を残した著名人もいる。人間だけではない。先日、自動車にひかれて死んだつがいの一方を悲しんで、もだえるツバメの連続写真がヌリクン(ネチズン)たちの心の琴線に触れた。
◆日本のある新聞の今年上半期のヒット商品調査で、「純愛商品」が1、2位を占めたという。純愛を素材にした映画『世界の中心で愛を叫ぶ』とテレビドラマ『冬のソナタ』が1、2位になった。文化芸術界では普通10年の周期で「純愛」ブームが繰り返されると言われている。溢れる性と不倫に対する反作用ということだ。「詩人の日」に伝えられた鶴のように生きてこの世を去った老詩人の純愛に、世の中がこのように襟をただすのは、私たち皆がそれだけ純愛を切望しているからではないだろうか。
呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員oscar@donga.com






