盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は閣議で、「国会の立法権が憲法裁判所によって無力化されることが繰り返されれば、憲政秩序の混乱を憂慮せざるを得ない」と述べた。立法、行政、司法の3権の牽制と均衡を通じて、権力の濫用を防ごうとする憲法の基本原理に反する発言だ。国会が憲法に合致するように権限を行使したかどうかを憲裁が審査するのは、立法権の過剰行使を抑制するための制度である。
「憲裁の決定で国会の憲法上の権能がき損された」という盧大統領の発言も憲法の原理に対する理解が不足しているせいだ。憲法は国会の立法権が過剰行使されたり国民の意思をまともに反映できないとき、牽制する装置を複数設けている。大統領の法律案拒否権や憲裁の違憲立法審査権がこれに当たる。憲裁の新行政首都建設特別法違憲決定も憲法が憲裁に与えた権限の中で行われた。
憲裁は国民によって直接選出されるわけではないが、国民が制定した憲法によって民主性が認められる憲法的代表機関だ。一部政治家と学者が憲裁の裁判官に対して、「選出されていない権力」云々しながら憲裁解散論まで主張するのは、民主主義の基盤を揺るがす言動だ。
違憲立法審査権は人権保護、少数派の権利保障の意味を持つ。盧大統領自身も国会議席3分の2以上の議決によって弾劾訴追されたが、憲裁の決定で大統領の地位を取り戻すことができた。その時はどうして国会の権能を侵害する憲政秩序の混乱だと言わなかったのか。
盧大統領が施政演説で、「効力を否認しない」と受容の考えを示した後、憲裁批判に回った意図が釈然としない。4つの争点法案の違憲論を意識し憲裁を圧迫するためではないか。国会の多数議席を占めている権力が憲裁の機能を萎縮させる発言を繰り返すことこそ、憲政秩序を乱す行為である。憲裁の存立目的は立法権と行政権の濫用から民主主義と国民の基本権を守護することにある。






