ソウル大学病院の労組が「産別労組合意事項について個別労組では再交渉できない」と明示した産別協約の廃棄を求めて「条件付き産別労組脱退」を決議し、労働界に波紋を起こしている。
単位労組が上位労組に対して産別協約の内容を問題にし、条件付脱退をもって「脅かす」のは労働界では例のないことだ。
これに対し、保健医療労組は「かろうじて得た産別合意を無視する大手病院の無責任な態度」だとし、強硬な対応方針を示した。
これにより、今年初の産別総ストライキ後、産別協約を成し遂げた保健医療労組が揺らぐなど、いわば「労—労」葛藤が深まるのではないかという見方とともに、「産別交渉無用論」が再度浮上する見通しだ。
ソウル大学病院の労組は先月29日、組合員投票の結果、89.9%が「産別協約10条2項(賃金、休暇及び手当て、勤労時間などは産別協約が支部協約に優先する)が廃棄されない限り、産別労組から脱退する」に賛成したと2日、述べた。
同決議に対し、ソウル大学病院労組は「同条項が支部の交渉権を根本的に封鎖している条項であるためだ」という理由を掲げている。しかし、実際には「経営環境の良い自分の病院はさらによい条件で賃団協(賃金・団体交渉)ができるのに、産別交渉のためできなかった」という認識のためだというのが労働界の指摘だ。
これに対し李ジュホ保健医療労組政策局長は「環境のいい病院の労組は一歩譲り、その代わり労組の団結力が弱く零細な病院の賃金などを引き上げ、勤労条件の格差を減らすのが産別交渉の目的だ」と述べた。
李政策局長は「8月に産別交渉の評価過程で具体的な対応方針を決める」と述べた。
保健医療労組は内心、ソウル大学労組が産別合意を無視してストライキを続けるなど、産別交渉の成果を無駄にしたことに対して相当な不満を示している。
民主労組の指導部は近いうちに会議を開き、ソウル大学病院労組に対する中央レベルの制裁方針を設ける計画である。
保健医療労組インターネット掲示板ではソウル大学病院労組を非難する側と擁護する側が激しく競り合うなど、内部の葛藤が拡大する模様だ。
一方、病院協会の関係者は「労働界内部でさえ紛争を起こしている産別交渉無用論が再確認された。時間と交渉費用を増すだけの産別交渉はもう要らない」と述べた。
taylor55@donga.com






