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KCC「TG許栽をマークするな」

Posted April. 01, 2004 00:00,   

プロバスケットボールKCCの辛善宇(シン・ソヌ)監督がTGの許栽(ホ・ジェ)を賞賛して注目を集めている。

辛監督は、TGとのチャンピオン決定戦を控えた中、「豊富な経験にコンディションもよさそうだ」とそれとなく許栽を褒めていた。許栽の健在は、選手層の薄いTGの戦力を引き上げる効果があるというのだ。許栽は辛監督の高校(龍山高)の10年後輩。だとすれば、辛監督の賞賛は後輩への愛情の表現なのか。

答えはノー。原州(ウォンジュ)での第1、2戦を見れば、辛監督の本音が分かる。先月29日の第1戦では、要注意人物にあげていた許栽をしっかりマークすべきところで、得点機会を次々と許してしまった。許栽は同日、21分間の出場で3点シュート3本を含めた14得点を記録した。第2戦でも6得点にとどまってはいるが、18分の間、手薄な守備をかわして3点シュートを4本も放った。

許栽をマークするKCCの李サンミンは「ある程度点数を取られてもいいから、緩めてあげるようにと監督の指示があった」とにこりと笑った。

真相はこうだ。KCCとしては、許栽がボールを長く持ち、攻撃に頻繁に加わることが自分たちに有利だと判断したのだ。TGの主力ポイントガードの申基成(シン・ギソン)もドリブルが多いタイプ。この二人が同時にコートに入ると、ボールの流れが悪くなり、組織力が崩れる。

許栽が攻撃を主導しているため、TGの外郭シューター梁庚民(ヤン・ギョンミン)とホールは、1、2戦でそれぞれ平均6点、8.5点と沈黙していた。KCCは許栽へのマークを緩める代わりに、TGの成功率の高いゴール下攻撃を封じ込めるのに力を注いだ。

スピードの落ちる許栽の出場により、守備にも穴が開き、第2戦では李サンミンに両チーム最多の24点を許してしまった。KCCはこのような攻守の戦術が功を奏し、敵地で2連勝を達成した。2試合でプライドを傷つけられた許栽は、第2戦の試合修了ブザーが鳴る前、うなだれたまま試合場を出た。大先輩のこの姿に、TGのベンチはさらに沈んだ雰囲気になった。

TGのチョン・チャンジン監督は「KCCの意図は十分分かっている。実は許栽の出場時間の調節で悩んでいる」と話した。今季を最後に30年間のバスケットボール人生を締めくくる予定で、15日以上も禁酒しながら意欲をみせている許栽を、ただベンチに座らせておくわけにもいかないというのが監督の悩みどころだ。



金鍾錫 kjs0123@donga.com