
韜光養晦。「光を隠し、晦を養う」という漢字熟語で、中国が現在掲げている対外政策のスローガンである。これは胡錦濤国家主席が国家目標として明らかにした1人当たり国民所得3000ドルの「小康社会」を建設するまで、周辺国と政治、軍事的な衝突や緊張関係を作らないという意味だ。一見平和友好的な表現のようだが、世界制覇を狙うために暗闇の中で剣を研ぐという野心が隠されたものでもある。
現在の覇権国家として、いつかはその剣を受けることになるかも知れない米国がこれを見過ごすわけがない。クリントン政権の時、「戦略的パートナー」と規定されていた中国の地位はブッシュ政権で「戦略的競争者」に変わった。「ウィン・ウィン(win−win)」の対象から「ゼロ・サム(zero−sum)」の相手に転じたのだ。米ハリス調査研究所が1995年〜02年に行った世論調査で、米国人は中国を非友好的な国として挙げていた。
ジャーナリスト出身で、「ネオコン−パックス・アメリカーナの戦士たち」を書いた著者(国際問題専門家)は、各種のマスコミ報道と報告書などをまとめて再構成し、米中間の水面下での対決を具体的に表した。
1999年移動式多弾頭大陸間弾道弾である「東風31」の開発、03年の主力戦闘機「殲−10」の実戦配置、04年の有人宇宙船「神舟(しんしゅう)5号」の発射などは、中国が背中の後で研いでいる剣である。ここ10年間、年間10%台の高速経済成長と08年の北京五輪、10年の上海エキスポ開催などは、その剣の鋭さを隠す闇である。闇の中で研ぎ澄まされた刀はアジア地域でその威力を発揮している。米国の伝統的な友好国タイでの国家好意度調査で、中国(76%)が米国(9%)を圧倒した。韓国でも最大輸出市場が米国から中国に移動しつつあるほか、反米の流れが吹き出ている。
これに対して米国が手をこまねいているはずがない。大西洋地域の英国のように、アジア太平洋地域の「航空母艦国家」として日本を目し、その再武装を加速化させている。また、中国のライバルであるインドとの関係改善のために、禁止品目であった先端兵器の輸出を許容し合同演習まで行っている。日本、豪州、韓国、フィリピン、シンガポールなど伝統的な友好国とインドを結ぶ、アジア版北大西洋条約機構(NATO)の構成案もささやかれている。在韓米軍の後方撤退と起動軍の再編もやはり、北朝鮮よりは中国を見据えた上での布石だという分析だ。
本の題名は中国人民解放軍の軍事演習の際に、自国軍を紅軍(red team)、仮想敵国を青軍(blue team)と分けることから付けられた。ところが、あいにくワシントン内部の対中国強硬派の秘密集会である「ブルーチーム」もやはり、こうした色の概念を借用している。
著者がスポットを当てたブルーチームは新黃禍論を主張する安保専門家の秘密サークルで、議会と行政府、情報機関、学界、マスコミ界といたるところに布陣している(表参照)。ブルーチームはネオコン(新保守主義)と密接な関係を結んでいながらもそれとは違う。ブルーチームは親中国派と分類されるパウエル国務長官、アーミテージ国務副長官、ミリアティ前国家安保会議(NSC)アジア担当局長などと激しい主導権争いを行っている。
米国と中国の対決の接点は結局韓半島に帰着する。韓半島は女真−モンゴル、明−日本、明−清、清−日本、日本−ロシアなど周辺強大国の勢力が再編されるたびに戦火にまみれた。昇天を夢見る赤い龍とすでに天を支配する青い龍との戦いで、韓半島が火の海と化すことがないように防ぐ道はなにか。著者は、「用米」と「用中」という言葉で青糸、赤糸を織りなす道を模索しなければならないとしている。だが、その糸を織るためには自主派、同盟派とひびが入った糸巻きからしっかりさせなければならない。
權宰賢 confetti@donga.com






