出版権侵害論争に巻き込まれた「北朝鮮版東医宝鑑(ドンウィボガム)」に対して、裁判所が北朝鮮公証書の效力を初めて認めた。
これは検察が、「北朝鮮との契約が本当かどうかわからない」として、「公訴権なし」決定を下したことと対比される判決で、今後、類似事件に影響を及ぼすこととみられる。
ソウル地方裁判所民事合議12部(趙寛行部長判事)は25日、ヨガン出版社の代表の李某氏が、「『ヨガン版東医宝鑑』をそのまま引き写して本を出刊したため、出版権を侵害された」として出した損害賠償請求訴訟で、「被告は7300万ウォンあまりを支給しなさい」と、原告一部勝訴判決を下した。被告は法人出版社代表の金某氏と翻訳委員のコ某氏など有名漢方医学科教授21名だ。
裁判長は判決で、「被告たちは李氏の契約相手である北朝鮮版東医宝鑑著作権者の代理人のユン某氏が代理人の資格が無いと主張するが、北朝鮮公証機関である『平壌(ピョンヤン)市公証所』が2000年9月に公証した確認書上にはユン氏が代理人となっている」と明らかにした。
判決はまた、「金氏の本が原告が発行した本と95%ぐらい内容が同じで、翻訳委員として参加した漢方医学科教授たちも校正をみたり、序文を書いただけなのに、まるで翻訳したかのようにみせたため、賠償責任がある」と付け加えた。
李氏は1993年12月、中国瀋陽市の朝鮮族文化芸術館副館長であるユン氏と1万ドルに北朝鮮版東医宝鑑の韓国出版権契約を結んで、1994年5月、本を出版した。ユン氏は北朝鮮版東医宝鑑の著作権を持っている北朝鮮の「科学百科辞典総合出版社」から出版契約権を委任された代理人だ。
しかし金氏が1999年12月、この東医宝鑑の対訳本を出すと、李氏は彼らを刑事告訴して損害賠償請求訴訟を申し立てた。刑事告訴件に対して検察は、「公訴権なし」結論を下した。しかし、民事訴訟人損害賠償請求訴訟では、裁判所が北朝鮮公証書に対して、統一部と国家情報院に事実照会まで依頼した結果、「偽造されたこととはみにくい」と李氏の軍配をあげた。
金秀卿 skkim@donga.com






