今日から公式捜査に入る金鎮興(キム・ジンフン)特別検査チームは、「生きている権力」を捜査するという点で、以前のいかなる特検よりもその負担が大きいと言える。今回の特検は、4・15総選を控えて進められるため、大統領府と与党はもとより、ハンナラ党や民主党などの野党も、特検の推移に神経をとがらせざるをえない。金鎮興特検は、選挙の局面に有利な方向に捜査を導く権力や政界の外圧に捜査チームが惑わされないよう、自ら強い遮断幕を張らなければならない。
金鎮興特検の核心課題は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に関連する疑惑だ。野党3党が特検法を再議決した後、検察が側近不正に対してもある程度手をつけたと言えるが、任命権者の大統領が関わった部分は、捜査と法律的判断を大部分特検に先送りした。検察は、国税庁のサン・&ムーン減税報告書に「盧」という字が入っていることを確認してからも、当時盧大統領候補が、孫永来(ソン・ヨンレ)前国勢庁長にどのような影響力を行使したのかを具体的に明らかにしなかった。憲法上、現職大統領を訴追することはできないが、盧大統領がこのような疑惑に関する捜査を自ら要望すると約束しただけに、捜査方法と時期に関して、特検チームと大統領府が合意を成すことができるはずだ。
検察は側近が、サン&ムーングループの文炳旭(ムン・ビョンウク)会長からカネを受け取った時、同席していた盧候補がカネが渡される直前に席を外したことについても、法律的な判断を留保した。これとともに、違法大統領選挙資金でチャンスチョン社の負債を返済した容疑に盧大統領がどの程度関与したのかも、特検で究明されなければならない。安熙正(アン・ヒジョン)、李光宰(イ・クァンジェ)、崔導術(チェ・ドスル)容疑者ら、側近らが受け取ったという違法大統領選挙資金や当選祝賀金の規模をめぐり、検察捜査と野党主張の間の食い違いはあまりにも大きい。特検は、このすべての未完の真実を究明する一方、検察初期捜査の不十分な検証まで疎かにしてはいけない。
大統領側近不正は、軍事独裁政権時代から民主化時代に至るまで、執拗に続く病である。金鎮興特検は、この国でまた大統領側近不正という言葉が出ないように、後代が警戒する捜査をしなければならない。それには、大統領府であれ、与野党のいずれか一方からの圧力であれ、政治的外圧に特検が惑わされることがあってはいけない。
ファン・ホテク論説委員hthwang@donga.com






