ダンス、歌、手品などの個人技が若者たちの間で人気を集めているが、近ごろは、美味しい味と雰囲気のよい店に精通している若者が売れっ子になっている。とりわけ、年末になり会食の機会が多くなるにつれ「美味しい店」と「おしゃれな店」に対する関心と問い合せが相次いでいる。ところが、数あまたある飲食店の中で、美味しい店とおしゃれな店を見分けるのは、決して容易なことではない。雰囲気が良ければ味がいまいちだし、美味しいと思いきや雰囲気がまあまあ、という場合が少なくないからだ。一般に、男性は雰囲気よりは味を重視し、女性は味と同じぐらい雰囲気を重視するということも考慮に入れなければならない。
◆美味しい店とおしゃれな店が、必ず一致するわけではない。美味しい味の店は、一ヵ所で長い間店を営んできた老舗の場合がほとんど。雰囲気はそこそこにきれいでも、お店自体は概ね古びている。お店の常連でなければ予約は難しく、自慢の定番料理を1〜2品出すのが普通。デパートのように数々の献立を用意しているお店は見たことがない。オーナー自ら、調理やお店の経営にあたっており、値段も決して高くない。オーナーが、自分の作った料理について、人一倍の誇りとプライドを持っているのは勿論のこと。少し儲けがあったからとして店を移したり、外からも厨房が見られるように手を加えると、不思議なことに客足が遠ざかってしまう。
◆雰囲気のあるおしゃれな店は、高級ホテルやデパート、高級住宅街の近くに位置している。品格のあるインテリアで室内を飾り、器やお皿、什器なども名品を使っている。予約は基本で、メニューも様々。高級材料を使い、一流の料理人と訓練の行き届いた従業員を雇っている。その代わり、客の立場としては、料理の値段はかなりの金額にのぼる。着こなしにも気を使ってしまう。季節ごとに室内のインテリアを変えなければならず、新しいメニューを披露できなければ、すぐに客足が途絶えてしまう。雰囲気の良い店で食べる不味い料理ほど、お金がもったいないと思えるものはない。
◆私は、おしゃれな店より美味しい店の方が好きだ。どうしてそんなに美味しい店に詳しいかと聞かれるたびに「カネと時間と努力を投資したおかげだ」と答える。考えてもみよ。人類が食べてもよいものとそうでないものとを見分けるのに、如何に多くの時間と努力を傾けてきたことか。あるグルメの言うように、内側が真っ赤で、所々に黒い種が埋まっているスイカを初めて食べた人類は、実に勇敢な先祖であった。毒キノコと食用のキノコを見分けるのにも、数多くの先人たちが命を落としているはずだ。来年の1月19日、一日5人の客に限定しているという味の店に招かれた。その日が待ち遠しい、今日この頃である。
呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員oscar@donga.com






