盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は昨日、「我々が使った違法大統領選挙資金の規模がハンナラ党の10分の1を上回れば、政界から引退する用意がある」と語った。大統領府側はその言葉に、大統領職辞任が含まれていることを明らかにした。「大統領職がこなせない」(5月)、「最信任を問う」(10月)という発言に続く「下野カード」というわけだ。
盧大統領の発言は、ハンナラ党よりも不法資金を少なく使ったということを強調するためのものと見える。しかし、道徳性を武器に掲げた政権が、ハンナラ党より10%以下なら何の問題にもならないのだろうか。もし9.9%ならばきれいだと言えるのだろうか。いくら少ない金額でも不法資金なら、当選無効の理由になり得る。盧大統領の掲げた基準は、あまりにも恣意的だという批判を免れない。
大統領府と検察の間に何かやり取りがあったという疑問も拭い難い。検察が隙のない捜査をしたとしても、額面どおりの結果を発表することができるのか、考えなければならない。検察には、盧大統領の発言そのものが、盧陣営の不法資金規模を大統領が提示した基準以下に合わせるようにという指針に映り得るためだ。
今になって、大統領の言葉を汲むことはできない。ならば検察よりも捜査の公正性を信じることができる特別検事(特検)が捜査を担わなければならない。盧大統領も、「私に関係する捜査に、国会が特検を取り入れれば、受け入れる」と言っただけに、大統領選挙資金特検はもはや避けられない。特検の結果、盧陣営の不法資金が大統領が提示した基準を上回れば、約束どおり大統領職から退かなければならない。
何よりも特検を急がなければならない。盧大統領は、「検察の大統領選挙資金の捜査後」と言ったが、そのように時間を引き延ばしては、政略が介入する可能性が高い。そうするうちに、国政の不安定性は深まり、国家の対外信任度は失墜するだろう。
盧大統領が、再信任を問うと言って以来、国は一日も平穏な日がなかった。側近不正特検問題で争い、国会がマヒし、違法大統領選挙資金問題で国政は満身創痍(まんしんそうい)になった。このような状況で、国政懸案を一つひとつ整理しなければならない国家最高リーダーが、度々論争の種を作っているのは嘆かわしい。憲法によって国民が付与した5年の任期を、そのように軽々しく考えてもいいのだろうか。
大統領中心制であるため、大統領の進退は国家安危とも直結する。国民は、残りの任期の4年間、再び大統領職をかけることがあるのか不安だ。再び大統領職が「切り札」になることがないように、この機にしっかりと解決を見なければならない。






