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[社説]今は国会議員数を増やすときか

Posted November. 19, 2003 23:18,   

国会の政治改革特別委員会の与野3党の幹事が、国会議員数を273人から299人に増やすことで合意した。ハンナラ党が党論ではないとして反対したが、国民の意を読み取れない政界の現実認識は驚くばかりだ。

選挙区間の人口偏差が3対1を超えてはならないという2001年憲法裁判所の決定によって、一部の選挙区は調整する必要があり、専門性を強化するために比例代表議員の割合を増やさなければならないという主張にも一理がなくはない。それにしても大統領選挙資金不正疑惑で政界に対する国民の怒りと不信が極めて高まっている状況で、議員が自らその数を増やそうと言い出す時期ではない。

今は二度とブラック・マネーが政界に流れ込まないように、政治改革を急ぐときだ。政治資金の透明化を実現し、費用ばかりかかって效率性の低い政治を、画期的に変えることのできる案を打ち出さなければならない。こういった問題を差し置いて、議員数を増やすことばかり考えていても、国民が受け入れるはずがない。政治改革をしなければいけないのに、自分の利益だけを優先しているという非難が出るのも無理ではない。

議論の仕組みもおかしい。政治改革特別委員会の3党の幹事が合議したとしても、5月に発足した選挙区確定委員会もあり、最近発足した汎国民政治改革協議会もある。これらに一言の相談もなしに、3党の幹事どうしで合意をしていいのか。だから密室政治や談合という批判が出るのだ。

議員定数273人は3年前、第16代総選挙を控えて国際通貨基金(IMF)管理体制の苦痛分担に政界も参加するという意味で299人だった議員数を減らしたものだ。その後、通貨危機は乗り越えたとしても、私たちの暮らしの質はそれほど良くなっていない。政治はより深刻で、大統合と国家発展の牽引役になるよりは政争と派閥で、むしろネックになったというのが共通する評価だ。それなら議員数を増やす名分はないのではないか。政治家なら誰もが謙虚に自問してみなければならない。果たして議員数が少ないから、いま、わが国はこんな状態なのか。