
8年ぶりに手にするトロフィー。米国LPGA最高齢での優勝という感激の瞬間にも、ベス・ダニエル(47・米国)は落ち着いた表情だった。まさに、それこそ「ベテラン」の面貌だった。
14日、カナダのバンクーバーにあるポイントグレイCC(パー72・6410ヤード)で行われた米国女子ツアー「カナディアン女子オープン(賞金総額130万ドル)」の最終4ラウンド。ダニエルは、最後の18番ホール(パー5)で2メートルの距離の見事なバーディを成功させ、ジュリー・インクスター(43・米国)と1打差で首位に立った。95年のピングウェルチーズチャンピオンシップ以来8年ぶりの優勝だ。
「今まで本当に大変でした。しかし、片時も『もう一度優勝できる』という確信が揺らいだ時はありませんでした。この大会では不思議なほどに平穏な心で試合に集中できました。そのおかげで、最後までベストを尽くすことができたと思います。」
同日、チャンピオン組としてスタートを切ったダニエルとインクスターの一騎打ちは、一寸の譲歩もなかった。
逆転(ダニエル)→再逆転(インクスター)→再三逆転(ダニエル)。ダニエルは初めてのホールでバーディを奪い、前日に1位タイで合流したインクスターに1打リードして以来、終始1、2打差のリードを守ってきたが、12番ホール(パー4)でボギーを叩いた時点で、バーディーを奪ったインクスターに再逆転を許してしまった。しかし、ダニエルは17番ホールでバーディを奪ってタイに追いつき、ついに最後の18番ホールでドラマチックな逆転勝ちを果たした。
今大会が開かれる前に、すでに32勝という大記録を樹立して米国LPGA「名誉の殿堂」に名を載せたダニエルだったが、この8年間は挫折の連続だった。最後の優勝以来152大会に出場したが、何回もあと一歩で優勝というところで優勝を逃し、32回も「トップ10」で満足せざるを得なかった。
ダニエルが歴代米国LPGAツアー最高齢優勝者という大記録を樹立できた原動力は何だろうか。準優勝にとどまったインクスターは、ダニエルを次のように評価している。
「ゴルフに対するダニエルの熱情は驚くほどです。私も同じですが、ダニエルは誰よりも一生懸命に練習します。最近の若い選手たちのパワーが強いのは事実ですが、『熱情』だけはダニエルが彼女たちを十分圧倒していると思います。」
ダニエルは韓国女子ゴルフの先駆者、具玉姫(ク・オクヒ)と似ている面が多い。二人とも1956年生まれで、プロ選手としてデビューしたのも78年と同じだ。また、「ゴルフが大好きで結婚も先延ばしにしている」点までそっくりだ。
安永植 ysahn@donga.com






