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[社説]盧大統領、金大中氏に会うのもいいが

[社説]盧大統領、金大中氏に会うのもいいが

Posted April. 21, 2003 22:14,   

現職大統領と前職大統領が会って、国政懸案についての意見を交わすこと自体に、けちをつけるつもりない。しかし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金大中(キム・デジュン)前大統領の今日の大統領府晩餐会合は、後味がすっきりしない。4・24再・補欠選挙を2日後に控えた敏感な時期であり、選挙用ではないかという論争がおこっているためだ。与党代表が公式に湖南(ホナム=全羅道)疎外論の実体を認め、湖南の民心をなだめることに乗り出したことも相まって、今回の会合は、政治不信を招く余地がなくもない。

無論、大統領府や与党は選挙用ではないと主張するが、これを額面通り受け取ることが困難なのが、韓国政治の現実である。ここでも歪み、あちらでももつれ、以前から純粋さと信頼を失った政界のこのような生理を与党が知らないはずがない。にもかかわらず与党が何が問題なのかというふうに言うことには共感し難い。

ただでさえ現政府発足後の初の公職選挙である今回の再・補欠選挙に、与野党が過度な政治的意味を付与することで、過熱・混濁選挙が懸念されている状況だ。国会議員候補を選ぶための地方支部大会から、金の入った封筒を受け取って摘発された例もある。党本部の強引な公薦や派閥間の分け合いなど、与野党の候補選定過程も従来と変わりがない。そこに前・現職大統領まで関与するような印象を与えては、選挙後遺症がより深刻になるだろう。

「誤った選挙」のために、再・補欠選挙が行なわれた場合が多い。そのような再・補欠選挙で同じ過ちを繰り返す政界なら、はなから政治改革を論ずる資格すらない。事実、選挙改革のない政治改革は期待することもできない。第16代国会最後の再・補欠選挙までも方便と反則が横行すれば、来年の総選は火を見るに明らかだ。

したがって盧大統領は、再・補欠選挙が公明正大に行なわれるか「虎の目」で見守らなければならない。このためには、みずから誤解を招くような行動を避けなければならない。来月訪米を控えて助言を求めようというなら、再・補欠選挙の後に金前大統領に会えばいいのではなかろうか。