Go to contents

米国のアジア系、「SARS感染説」で被害続出

米国のアジア系、「SARS感染説」で被害続出

Posted April. 18, 2003 22:10,   

米国全土にSARS(重症急性呼吸器症候群)の恐怖が一気に広まる中、アジア系の住民が大きな被害を被っている。

ニューヨークとワシントン、カリフォルニア州一帯にある、アジア系移民者の多い都市では、SARS感染者がいるというデマが流れ、チャイナタウンのチャイナレストランには客足が途絶えてしまったと、ニューヨークタイムズが17日付で報じた。

新聞はレストラン店主の言葉を引用し「アジア系は群がって歩き回る性向が強いため危険だといううわさが広まり、チャイナタウンに誰も来ないようになった」と伝えた。また、保健当局者の話として「サフランシスコ周辺に住んでいる中国系移民者らが、香港のウェブサイトに掲載されているSARS関連のうわさを広めているため、米国内のチャイナタウンに恐怖が襲いかかっている」と指摘した。

ブルームバーグ・ニューヨーク市長は16日、チャイナタウンのあるチャイナレストランで食事をするなど、市民を安心させ「ニューヨークのSARS感染者は10人に過ぎず、それもニューヨーク現地で感染したわけではない」と強調しているが、チャイナタウンに対する恐怖を沈静さめるには力不足だろうと、米マスコミはみている。

SARS恐怖のあおりで、一般観光客がアジア地域への旅行を控えているのはもちろん、米国の大学が中国、シンガポールなどで、今年の夏と秋に行う予定だった各種の教育プログラムも学生たちが申請を取り消したため、地域を変えたり、諦めたりする事例が頻発していると、ロイター通信は伝えた。

米国企業は米国立疾病予防センター(CDC)の勧告を受け、社員の香港、中国、シンガポール、ベトナムなどへの業務出張を禁じている。



konihong@donga.com