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[社説]北朝鮮の人権問題、資料がないのか関心がないのか

[社説]北朝鮮の人権問題、資料がないのか関心がないのか

Posted April. 15, 2003 22:54,   

法律上の所管業務ではないことに立場表明をした国家人権委員会(人権委)が、いざ基本業務には疎かな姿勢をみせ、失望が大きい。金昌国(キム・チァングク)人権委員長は、国会の法司委員会で「人権侵害が北朝鮮に多いか、韓国に多いか」という質問に対し「計量化された資料がない」と答弁して、私たちを驚かせた。北朝鮮の人権状況に対する金委員長の認識に疑問を抱かせる発言だ。

金委員長は、この答弁が議論を呼ぶと「北朝鮮の人権の実態に対するまともにできた情報が分からない」と付け加えた。金委員長が言う「計量化された資料」が一体何を意味するか知らないが、北朝鮮の人権については北朝鮮の脱出者たちの証言、非政府組織(NGO)の調査報告、米国務総省と国際赦免委員会(AI)の人権報告など生々しくて、信頼度の高い資料がいくらでもある。金委員長が北朝鮮の立場まで考慮して答弁を避けたとしたのなら、簡単な問題ではない。

北朝鮮の人権問題の存在を認めないかのような金委員長の態度は、批判されて当然だ。憲法上、北朝鮮住民は大韓民国の国民だ。できるだけすべての手段を動員して北朝鮮住民の人権状況を把握し、人権侵害の是正を促すことこそ人権委の基本業務に属する。そんなことをしなかったとしたら、金委員長は職務を怠ったことになるので、まず反省しなければならないのに、彼は堂々と分からないため答えられないという様だ。

人権委は、このように所管業務は手抜きにしながらイラク戦争に反対する声明を出し、政府内でも韓国民と国内居住の外国人に活動範囲を制限した人権委法を違反しているという指摘を受けた。イラク国民がフセイン政権下でなめた人権侵害については、資料が十分で正当だと判断したから反戦声明を出すことができたというのか。

欧州連合(EU)が最近、国連人権委員会に北朝鮮人権問題で決議案を提出するなど、北朝鮮の人権状況について国際社会の関心が高まっている。しかし、韓国の主務機関である人権委は、北朝鮮の人権と関連して方向感覚さえ持っていないような感じだ。人権委は、自らの担当業務だけでもきちんとこなしてほしいものだ。