世界の3大信用格付け会社の一つである米国のムーディース社が11日、韓国の国家信用等級の展望を「A3肯定的(positive)」から「A3否定的(negative)」へと2段階引き下げた。
ムーディース社は同日、信用等級そのものを下げることはしなかったが、信用等級展望が「否定的」となれば一般的に数カ月後には信用等級が落ちる可能性が高く、韓国経済に相当なダメージを及ぼす見通しだ。
財政経済部によると、11日の信用等級評価委員会でムーディース社は、北朝鮮の核問題など、韓国の安保環境が悪化したことを考慮して、韓国の信等級展望を2段階下向き調整することにしたとのこと。
同委員会でムーディース社は、「最近、国際原子力機関(IAEA)の査察団の追放、核拡散防止条約(NPT)の脱退、寧邊(ヨンビョン)核施設の再稼動など、北朝鮮が過去より過激な様相を見せており、核問題が悪化すれば韓国の信用等級は下がる可能性が高いため、このように決定した」と説明した。
このほかに、国民銀行、輸出入銀行、産業銀行、中小企業銀行、預金保険公社など政府と関連のある5つの機関の等級展望も全て「肯定的」から「否定的」に引き下げられた。
特に、今回の下向き調整は従来の「肯定的」から1段階下の「安定的(Stable)」を飛び越えて「否定的」になったことが注目される。
また、ムーディース社が先月信用等級展望を引き下げることを一時検討したが、評価団の韓国訪問後に、今年4月までは「肯定的」等級の展望を維持すると明らかにしていたため、今回の電撃的な2段階下の下向き調整は衝撃的なこととして受け止められている。
一方、韓国経済に対する不安感が少なくない中、ムーディース社の信用等級展望の下向き調整の知らせが広まると、米国のドルに対するウォンの切り下げが大きく進み、韓国関連債券と株価も小幅下落した。
この日の1ドル当たりウォンの為替相場は前日より16.90ウォン安の1209.20ウォンで取り引きが終わり、昨年12月13日(1210ウォン)以来約2ヵ月ぶりに最高水準に上がった。この日一日の為替上昇幅は昨年7月26日の19.5ウォン以来もっとも大きかった。
また、証券市場では韓国店頭株式市場のコスダック総合指数が前日より0.11ポイント(0.26%)下落した42.15で取引を終え、2日連続史上最低値を更新した。
総合株価指数も一時、15ポイント以上下落していたのが多少水準を取り戻し、前日より1.27ポイント安の575.98で引けた。これは2001年11月8日(573.04)以来15ヵ月ぶりの最安値だった。
米国のニューヨーク市場で韓国の外国為替平衡基金債券の加算金利は、韓国の国家危険度が上がったことを受けて、7日(現地時間)120bp(1.20%)から10日には126bp(1.26%)へと小幅上がり、債券の価格が落ちた。






