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[社説]政治へのヤジ、インターネット「殺生簿」

[社説]政治へのヤジ、インターネット「殺生簿」

Posted January. 22, 2003 22:37,   

与党民主党の議員94人を、大統領選挙での「特等功臣」から「逆賊のなかの逆賊」に至る6段階に分類した「殺生簿」を作成した本人と自称する20代の工員が現れたが、殺生簿の亡霊は依然として政界をはいかいしている。議員38人の日和見主義的な行動を非難する第2の民主党殺生簿と、およそ40人の議員を清算対象と名指した野党ハンナラ党版の殺生簿も出回っていて、雰囲気が次第に険しくなりつつある。

インターネットという覆面をかぶった匿名の暴力が、新しいすう勢となりつつあるのが、当面の被害よりもさらに深刻な問題だ。今後、第4、第5の殺生簿が流布される可能性があり、ひいては社会的なかっ藤がある度に、こうした方法で立場や意見が異なる人々を一方的に誹謗(ひぼう)し、攻撃する「インターネット誹謗・中傷」が横行する可能性もあるのではないだろうか。「インターネット文化革命」との言葉が出ているのも尋常でない。

こうした懸念が現実化するとしたら、それは災害だ。誰が、いつ、どのように被害を受けるかもしれない状況では、国民いずれもが潜在的な被害者にならざるを得ないからだ。徹底した追跡で顔のない「狙撃手」を探し出し過ちを悟らせることこそが、模倣犯罪の拡散を防ぎことができる。検察と警察は、「一罰百戒(一人を厳しく罰し、多くの人の戒めとすること)」の姿勢で臨み、相次いでいる殺生簿の作成者と作成経緯を糾明すべきだ。20代の工員が自ら作った民主党殺生簿の作成経緯についても、一度くらい綿密に調べてみる慎重さが必要とされる。

政界も深く反省しなければならない。政治についての根深い不信と嫌悪を盛り込んだ殺生簿が、世間の関心を集めていること自体が、政治に対する激しいやゆ(揶揄)でありえることを省みるべきだ。正体不明の文件ゆえに、政界が「正体不明のネチズン」を相手取って検察に告発する騒ぎとなったのも、自ら「罪意識」を感じている部分があるからだと言うことに気がつかなければならない。また、政治家の政治生命は、究極的には有権者によるものであり、選挙への寄与度によって「忠逆」を決める政治風土は、本当に恥ずかしいものであると言う認識を持たなくてはならない。