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映画「おいしい生活」 ウディ・アレンのウィットと毒舌交じりの風刺

映画「おいしい生活」 ウディ・アレンのウィットと毒舌交じりの風刺

Posted January. 20, 2003 23:28,   

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小心者で知的なニューヨーカーの代名詞、ウディ・アレンの映画は、どれも似たような感じがするが、「おいしい生活(Small Time Crooks)」はちょっと違う。

ウディ・アレン特有の誇張と毒舌は同様だが、ヒステリックな冷笑が目立った彼の前作映画に比べると、思わず笑わってしまうユーモアがあふれている。ウディ・アレンの最新作よりは、1969年の監督デビュー作「泥棒野郎」の雰囲気と相通ずるコメディ映画だ。

犯罪者出身の皿洗いレイ(ウディ・アレン)とストリップダンサー出身の妻フレンチー(トレーシー・ウルマン)は、ささいなことでけんかをすることもあるが、平穏な毎日を過ごしている夫婦。レイは銀行の近くにクッキー屋を開き、フレンチーがクッキーを売っているあいだに、地下から銀行の金庫までトンネルを掘り、中身を根こそぎいただくという計画を企てる。レイがまぬけな仲間らと右往左往しているうちに、意外な成り行きからレイ夫婦は大金持ちになる。昔からリッチな生活に憧れていたフレンチーは、美術商のデヴィッド(ヒュー・グラント)に上流社会の手ほどきを頼むが…。

いつものように、ウディ・アレンが脚本・監督・主演の3役を演じたこの映画は、銀行強盗、成り金、それから上流社会への進入のために必死になる人間という、3段階で構成された演劇を見ている感じだ。

ウディ・アレンは、上流社会に憧れているフレンチー、これを巧妙に利用するデヴィッド、それから平穏だった過去を懐かしむレイを対比させることで、うわべばかり飾った上流社会に憧れる人間の習性を思う存分風刺している。ハッピーエンドに帰結するラストは意外で、しょせんお金と地位は幸せにつながらないという結論も平凡すぎるが、やはり秀才が作ったコメディは違うと考えさせられる。

ばかばかしいエピソードは、助演俳優らの独特なキャラクターと演技力に支えられ、面白さを増している。実際は立派なシナリオ作家であるエレイン・メイが、ドジなトレーシーの従姉妹メイを演じて笑わせる。俗物の代表的キャラクターとして描かれたヒュー・グラントを見るのも楽しみ。原題は「こそ泥」という意味。全体観覧可。24日封切り。



金熹暻 susanna@donga.com