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AOLタイムワーナーのケイス会長 5月辞任へ

AOLタイムワーナーのケイス会長 5月辞任へ

Posted January. 13, 2003 22:37,   

スティーブ・ケイス(44)が今年5月、アメリカ・オンライン(AOL)タイムワーナーの会長職を辞任すると12日発表した。インターネットサービス会社のAOLの共同創業者であるケイス会長は、ドットコムバブルがはじける直前の2000年1月、高い株価をテコに売り上げが自社の4倍にのぼる巨大メディア会社のタイムワーナーを電撃的に買収し、ニューメディアとオールドメディアの統合時代を切り開いた。

ケイス会長の辞任で、AOLタイムワーナーの経営権は、わずか2年でオールドメディアのタイムワーナーの手に入った。タイムワーナー出身のリチャード・バーソンス現最高経営責任者(CEO)が会長を引き継ぐことになるものとみられる。

ケイス会長は同日、「一部の株主が合併後の業績について、私に引き続き個人的な失望感を示していることを考慮し、必要な措置を取るべきだという結論に達した」と辞任意思を表明した。

AOLタイムワーナーは合併以来の2年間、新旧メディアの相乗効果どころか、経営権をめぐる暗闘に頭を悩ませてきた。すでにケイス会長の右腕とされるロバート・ピットマンが昨年7月、最高執行責任者(COO)を退いており、8月にはAOLのビジネス担当責任者のデビッド・コルバーンが会社を離れてから、辞任圧力はケイス会長に集中してきた。

テッド・ターナー副会長と子会社のリバティーメディアのジョン・マローン会長、10%の持ち株を持っている大株主ゴードン・クロフォードは、ケイス会長を退けるために努めてきた。

2社の追求するところがまったく違ったのも内部かっとうの原因。技術を重視し収益よりは成長を重んじるオンライン会社と、コンテンツを重視し成長よりは安定を追求するオフライン会社の調和は簡単にはいかなかった。

何よりAOLの収益悪化がAOL役員の立場を弱めた。AOLタイムワーナーの昨年の総売上高は88億〜90億ドルで、前年の87億1800万ドルに比べて小幅増加したが、AOLの広告・営業部門の売り上げは15億〜16億ドルにとどまり、2001年の27億ドルに比べて大幅に落ち込んだ。この影響で合併直後56ドルだった株価は、14ドル台に急落している状態。

それに合併前後に、AOLの不透明な会計に対する法務省の調査が本格化するや、タイムワーナーではAOLの「いたずら」にだまされて合併したという疑惑まで持ち上がっている。



洪銀澤 euntack@donga.com