
プロバスケットの崔仁善(チェ・インソン)SKナイツ監督と辛善宇(シン・ソンウ)KCC監督は、最近、携帯電話の電源を切っておくことが多くなった。両氏を心配しての電話が殺到しているからだ。
シーズン序盤を終えた両チームの成績を見ると、充分納得がいく。1ラウンドが終了した15日時点で、SKナイツは3勝6敗で8位、KCCは1勝8敗で最下位。両チームとも平均得点が79.1点に過ぎず、10チームのうち9位タイとなっている。
崔監督と辛監督がどんな監督か。プロバスケで2回以上胴上げをされた経験のある監督は両氏しかいない。昨シーズンまで、チェ監督は通算188勝を、辛監督は177勝を上げ、最多勝トップを争っている。
もはや敵なしと思われた両氏が今シーズン苦戦しているのはなぜだろう。SKナイツはチームの厳しい事情を考慮すると、ある程度理解できる。ソ・ジャンフンが三星(サムスン)に移籍し、主砲のチョ・サンヒョンとイム・ジェヒョンは入隊して、戦力に大きな穴ができてしまった。
そのうえ、外国人選手のブルックスは実力不足と判定され、期待を集めたルーキーの李ハングォンは足首にけがをしてギプスまでしている。崔監督は「ある程度予想はしていたが、これほどとは思っていなかった」と心配を隠せない表情。
当初、優勝候補にあげられていたKCCの不振は、まったくの予想外。豪華メンバーの李サンミン、チョン・ヒチョル、チュ・スンギュンは、韓国代表への抜てきで体力低下にあえいでいるうえ、外国人選手すら各自の役割を果せずにいる。このように選手全員の不振でチーム最多の8連敗に苦しむKCCは、まず自信を取り戻すことが大事。これまでは時間が解決してくれると平気を装っていた辛監督も「問題が深刻で心配」とため息をついた。
だからといってじっとしているわけにもいかない。1週間に一度は家に帰っていた崔監督も最近は半月近く宿舎で生活している。ハードトレーニングに、毎日選手と打ち合いをしたり、相手チームの戦力分析などをしたりしていると、一日があっという間に過ぎてしまう。お酒でも飲みたくなりそうだが、あえて我慢しているという。飲みすぎてしまいそうだからというのが、崔監督の説明。
辛監督も普段に比べて訓練の強度を高めているのはもちろん、試合のビデオを見たり、記録の分析を行ったりしている。しかし、休みの時はすべてを忘れて過ごすタイプで、アウェーの時は近くの名山や寺を訪れたり、気の体操で疲れた心身を癒している。
試練の時を迎えている崔監督と辛監督が、この危機をどう乗り越えてゆくのだろうか。
金鍾錫 kjs0123@donga.com






