錐(きり)、貧困、そして愛。この3つの共通点は何だろう。名詞であるということのほかに、これらのもう一つの共通点は、隠せば隠すほど目立つということだ。ポケットの中にの錐は、隠せば隠すほどその尖った先が目立ってくる。貧しさを隠そうとする時、シャツの汚れはさらに鮮明に現れるもので、愛もやはり隠そうとしても火照った顔の様子が一層明るく見えてくるものだ。「醜い木が山を守る」という本では、錐の代りに咳を取り上げることもある。隠すほどに目立つ存在にもう一つを追加するとすれば「悪い事」がそうだ。国であれ、企業であれ、個人であれ、いくら偉そうにしていても、悪いことは何時か露見するものだ。
◆財政経済部(財経部)は最近、米国の「5人乗りレジャー用ピックアップトラック」の「ダコタ」を、貨物トラックではなく乗用車と分類し、このような車が輸入された場合、貨物トラックには課せられない特別消費税(車両価格の14%)の課税を進めている。問題は、この車について建設交通部(建交部)がすでに「自動車管理法」にもとづき、貨物トラックという判定を下しているということである。ところが財経部は、違う立場を取っている。「自動車の使用目的などを考慮して車種を決定する」とする「特別消費税法」の規定に拠ると「ダコタ」は乗用車であるというのだ。双竜(サンヨン)自動車の5人乗りMUSSOスポーツが乗用車であるのと同じ理由である。黙っている米国ではなかった。在韓米国大使館の関係者が外交通商部を訪問、ピックアップトラックに特別消費税を課すのは不当であるとする米国政府の意見を伝えるに至った。
◆国際貿易の法則に、内国民待遇という原則がある。いかなる外国商品であろうが、いったん国内に入ると国内の商品と同等の待遇を受けなければならないというのである。税金は、この範ちゅうの核心である。国内の5人乗りMUSSOスポーツが乗用車と見なされ特別消費税が課せられるべきだとすれば、「ダコタ」にも同じ措置が取られるべきだ。これが内国民待遇である。ゆえに財経部の判断が正しいのではなかろうか?建交部の言うところの自動車管理法は、言葉どおり自動車の管理と安全を確保するための法律であって、税金の賦課とは関係がないからだ。
◆ところが、米国が抗議をしてきたとの話を聞き、どこか吹っ切れない思いがする。米国の抗議があると、何時の間にかずるずると譲ってきたこれまでの記憶がよみがえるからだ。米国との通商交渉を始め、国際交渉の場で我々は、随分と「失態」を繰り返してきた。財経部が、久々に「善事」を選択したのは感心すべき事である。もちろん政府の中には財経部だけがあるわけではない。これからは、どの省庁が原則を覆す「失態」をするのか、しっかりと見守るとしよう。
金基洪(キム・ギホン)客員論説委員(産業研究員研究委員)gkim@kiet.re.kr






