5日投票の米国の中間選挙で勝利の女神は、与党共和党と野党民主党のうち、どちらへ軍配を上げるだろうか。選挙が1日後に迫っているなかでも、優劣がつかない互角の情勢が続き、議会をどの党が掌握するかは依然として未知数だ。
ただ、全般的な情勢から上院は民主党が、下院は共和党が掌握している既存の構図が再現される可能性が高いという見方が慎重に提起されている。予想されるシナリオを点検する。
▲民主党の上院掌握、共和党の下院掌握〓現在の構図が再現されるシナリオで、現実的には一番可能性が高い。上院が接戦する選挙区は、サウスダコタ、ニューハンプシャー、ミネソタ、ミズリー、アーカンソー、コロラドの6州程度。
これらの選挙区の投票結果によって、どの党が上院の多数派になるか、風向きが変わってくるが、民主党がやや有利というのが、米マスコミと専門家たちの大方の見方だ。下院では共和党が勝利する可能性が高い。
▲民主党の下院掌握、共和党の上院掌握〓上下院の多数派が入れ替わるシナリオで、全体的には両党が議会を分割するという点で現在と似ている。
しかし、条約の批准権と政府高官人事の承認権を持つ上院の多数派の地位を明け渡すことになる民主党としては、ブッシュ政権に対するけん制力が、現在より多少弱まる可能性がある。
▲共和党の完勝〓共和党が上院多数派を奪還し、下院多数派の地位を固めることで議会を完璧に掌握するシナリオ。現在の議席分布は上院が△共和49△民主49△無所属1△欠員1で、下院が△共和222△民主208△無所属2△欠員3となっている。
両党が議席を両分している上院で共和党が勝利するためには、民主党より全体議席で1議席以上を追加しなければならない。
下院は全体435席のうち、218席以上を獲得すれば多数派になれる。
ブッシュ大統領就任当時、共和党は下院を掌握し、上院でも両党が50対50で議席を平等に占めるなかで上院議長のチェイニー副大統領が「キャスティングボート」を行使し多数派の地位を守っていた。
しかし、昨年5月、ジェームス・ジェファーズ議員が離党して無所属になったため多数派の地位を民主党に渡した。その後、上院で両党が再び同席になったのは、ウェルストン議員(民主)が先月末に飛行機事故で死亡したためだ。






