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[オピニオン]恋愛の三角関係

Posted August. 11, 2002 22:46,   

映画が大好きではあるが、このところは映画館への足が遠のいてしまった。見所のある映画があまり見当たらなかったからだ。自分の好きな映画を選んで見ることのできるマルチプレックス劇場が多く新設されたが、映画の内容は大体似たり寄ったりだ。暴力とセックス、外界人との戦争、作り笑いを誘うようなコメディーが主流をなしている。このような映画は、つかの間のストレス解消にはなるかも知れないが、映画館にわざわざ足を運んで見るようなものではない。「シネマ天国」や「白樫鳥」のように、記憶に長く残り、感動で胸がいっぱいになる映画は、なかなか見つからないのだ。

◆そのためテレビドラマを好んで見る方だが、このごろテレビドラマを見ていたら怒りを覚えるときが多い。ドラマの中の人物は、人の話を立ち聞きしたり、日記を盗み見したりするなど、教養と道徳とは程遠い。のみならず、昔の恋人と別れた後にも引き続き、「友だち」という名を借りて会い、三角関係を作って幸福な家庭に波風を立てる。偶然の一致が多すぎて事件の因果関係が無理な感じさえする。お茶の間劇場で愛の三角関係をじっと見つめていると、面白いことが一つ見つかる。その類型が以前とは違っているということだ。

◆韓国の映画で三角関係は、1970、80年代までは主に、男性一人に女性二人がからみ合う形のものだった。日本帝国支配下に、そうこうの妻を残して日本の東京に留学に行った男の主人公が、開化した女性と恋に陥ったり、男性が本妻以外に情婦を持ち、家庭が破たんする映画がその最たるものだ。すなわち、男性優越主義を物語る「男女女」時代だった。これに対し、西洋の小説や映画の女の主人公は、だいたい二人の男性の愛の中で悩む。クレオパトラがアントニウスとシーザーの間で悩み、映画「風とともに去る」では、美しく生活力の強いスカーレットが、風雲児レット・バトラとやさしいアシュレーの愛を同時に受ける。韓国とはまったく異なる「女男男 」パターンである。

◆最近、韓国のお茶の間ドラマの三角関係は、確かに「女男男 」の西洋型に変えつつある。「秋の童話」「美しい日々」「ガラスの靴」「純粋の時代」などがその例だ。年上の女性と結婚するのも新しい時代の潮流になっている。今も、伝統的な「男女女」関係がないわけではない。その場合は、男性が浮気をすると女性もいっしょに男の友達と浮気をするパターン、すなわち三角関係ではなく四角関係になるようだ。このように三角関係のパターンが変わったのが、発展なのかそれとも後戻りなのかはよく分からない。

洪妍淑(ホン・ヨンスク)客員論説委員(漢陽大学名誉教授・言語学)