ドル安・ウェン高基調が続いている中で、下半期の経済見通しが暗くなりつつある。
23日産業界と経済専門家によると、ウォン高が続けば、造船、自動車、鉄鋼、繊維など輸出主力業種の輸出不振と採算性の悪化からもたらされる下半期の産業景気の低迷が懸念されている。しかし、世界市場の高いシェアと技術競争力が高い情報技術(IT)、半導体など一部の分野はウォン高による影響が少なく、業種による明暗が明確に分かれるものとみられる。
現代(ヒョンデ)経済研究院は同日、「下半期ウォン高基調の中の産業活動見通し」という報告書で、最近ウォン高が急激に進んでいることに対し、中国、台湾、シンガポールなど輸出競争国の為替相場はほぼ変動がないため、韓国の輸出競争力と企業採算性が大きく脅かされていると分析した。
ドルに対するウォン相場は18日現在、昨年同期比11.8%高くなった。円とユーロの相場もそれぞれ12.94%、13.68%上昇している。反面、中国の元は1ドル=8.27元でほぼ変動がなく、台湾ドルとシンガポールドルもウォン相場の上昇率よりはるかに低い6%を維持している。
こうした現状を受け、現代経済研究院は下半期には、自動車と造船の成長が緩やかになる可能性が高く、鉄鋼と石油化学は輸出回復が大幅に後退することで再び経済低迷に陥りかねないとの見通しを示した。とくに、建設業はウォン高に伴う海外受注環境の悪化と政府の建設景気安定化対策などでマイナス成長に転じる可能性が高いと分析した。
繊維業も難航が予想される。韓国繊維産業連合会が全国の繊維メーカー300社を対象に調べた下半期の企業景気実査指数(BSI)展望値は87だった。BSI指数が100以上であれば、景気が昨年同期に比べて良くなると考える会社が(景気が)悪くなると考える会社より多く、100未満だったら逆の意味を持つ。BSIは生産、稼働率、輸出、内需いずれの部門で100を下回った。
反面、情報通信、半導体などは下半期にも好調が続くと見込まれる。これらの分野は高いマーケットシェアと技術競争力の強化に支えられ、比較的にウォン高の影響を受けないうえ、ワールドカップ開催後高まった「ITコリア」というイメージが生産の増加につながるものと予想される。
韓国インターネット企業協会が韓国の代表的なインターネット企業約90社の経営陣を対象に調べた第3四半期のインターネット景気実査指数は139と高い数値となった。分野別にみると、ボータル、コンテンツなどインターネット活用産業が154と最も高く、ソリューション、コンサルティングなど支援産業(140)とハードウェア、ソフトウェアなど基盤産業(113)が後を継いだ。






