ハンナラ党の大統領候補秘書室長の金武星(キム・ムソン)議員が、「大統領有故」を言及し、女性を卑下するような発言をしたのは、あまりにも軽率な発言だとしか言いようがない。言うべきことと言ってはいけないことを判断できない人間が、どうやって大統領候補の秘書室長になれたか不思議でならない。
金議員は張裳(チャン・サン)首相代理について話をしながら、米国の情報機関を取り上げ、「最近、大統領の有故可能性がかなり流れている。この時、女性の首相が軍の統帥権など全てを行使しなければならないが、そういう重責を遂行できるだろうか」と述べた。
波紋が大きくなったため金議員は謝罪したが、今回のことは、そのように簡単に解決するような問題ではない。首相代理の資質問題なら取り上げられるが、ここで検証もされていない国家元首の健康問題を言い出したのは、無責任なことだ。下手すると国家全体の混乱にもつながりかねない、そのような発言を第1党の大統領候補秘書室長が言及したのは信じがたい。
とくに金議員の女性卑下発言は非難されるべき発言だ。議員の言及通りならば、女性は絶対に大統領や首相になってはならない。これは女性全体にたいする冒とくだ。女性として、すでに大統領、首相に就任した外国の例をあげる必要までもなく、これは時代に逆行する考え方だ。いつも女性の社会進出のため、積極的に努力すると主張してきたハンナラ党の本音はこれだったのか。
それでなくても、ハンナラ党が地方自治体と国会で多数を占めてから、一部議員のごう慢な言動が問題になってきた。このような状況のなか、大統領候補秘書室長まで軽率な行動をしている。我々はこの発言が、李會昌(イ・フェチャン)候補の意思なのではないかと聞きたい。
政治家のこのような軽率な発言は、相手を刺激し、悪循環につながる。そのため、政治は次第に対立し、けんかと緊張を引き起こしてきた。その分、国民の政治嫌悪症は大きくなっている。党レベルの謝罪と適切な措置が求められる。
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