アルゼンチンから触発された経済危機が、これまで比較的安全地帯とされてきたメキシコにも深刻な影響を及ぼしている。
AP通信によると、メキシコ通貨のペソは21日、1ドル=9.99ペソとなり、1年5ヵ月ぶりに最も大きな下げ幅となった。これは、昨年フォックス大統領の就任直後、ペソの価値が1ドル=10.02ペソまで下落したのをさらに上回る、最も低い水準。
ペソの下落は、同国のディアス財務相が20日「メキシコは、財政収入の構造改革がなくても、アルゼンチンのような経済、金融危機を上手く対処できる」と発言したことが発端となった。
ディアス財務省の発言は、アルゼンチンの経済危機の長期化が周辺諸国に悪影響を及ぼしている状況の中で、フォックス政権による財政改革の失敗、財政赤字の拡大、貿易収支悪化などを恐れていた外国人投資家の心理を刺激、大規模な資金流出を触発した。
一方、政府消息筋は21日、アルゼンチンの経済難克服に重要な役割を担ってきたブレヘル中央銀行総裁が、今月末で辞任する予定だと伝えた。ブレヘル総裁は、経済難の打開策をめぐり、ラバニャ経済相との間で摩擦を来たしていた。






