アフガニスタンを実効支配しているタリバーン政権に、イスラム過激派の指導者オサマ・ビンラディン氏の引き渡しを説得し、米国の最後通牒を伝えるためのパキスタン特使が17日、アフガニスタンに到着し、交渉を開始した。
▲交渉内容〓パキスタン特使が伝えた通告の主要内容は、三日以内にビンラディン氏の身柄引き渡しを実行しない場合、米軍の大規模な報復攻撃を受けることは明らかだ。特使はタリバーン政権がビンラディンの引き渡しに応じれば、攻撃を免れるとは保障していないが、通告を受け入れない場合は攻撃を受けることは間違いないとした。特使は早ければ今週末に攻撃が断行されると通知した。特使は同時にビンラディン氏の支持者らの身柄を引き渡し、訓練キャンプを破壊する場合、タリバーンの政権維持には干渉しない考えを伝えた。
▲特使の構成〓特使派遣団は合わせて6名で、パキスタン最高情報機関である軍部情報局(ISI)と外交部官僚らを中心に作られた。団長はパキスタン政府で強力な影響力を持つマームド・アーマドISI局長が担った。フランス(AFP)通信は17日、米国でテロが発生した11日、ワシントンを訪れていたアーマド局長は今回の交渉でテロの惨状をアフガニスタン閣僚らに生々しく伝えると報じた。米ニューヨークタイムズ誌は「タリバーン政権の関連情報を綿密に把握しているISIがテロ事件の前まではビンラディン氏の潜伏先を知っていたが、現在は把握できていない」と伝えた。
▲交渉対象〓17日午前(現地時間)、アフガニスタンに到着した特使はタリバーン政権の本拠地でもあり、ビンラディン氏が潜伏しているとされる南部のカンダハルへと直行した。特使は到着直後、アブドール・ワキル・ムタワキル外相と会談を行った後、午後にはタリバーン最高指導者のムハマド・オマル師を接見した席で、ビンラディン氏の引き渡しを求める米国の通告を伝えた。モハマド・ハサン国防相との会談を行った特使派遣団は午後遅く、首都カブールを訪問しアフガニスタンの主要閣僚らと会同し説得作業を行った。
▲交渉展望〓パキスタンの外交消息筋は17日、タリバーン政権がパキスタン特使の通告に応じ、ビンラディン氏を引き渡す可能性はきわめて低いとの見通しを示した。MSNBCが17日、匿名を要求したパキスタン高官は「タリバーン政権がビンラディン氏を引き渡す考えだったなら、最初からそうしていたはずだ」とし、「タリバーン指導部が姿勢を変えるという根拠はない」と述べだと報じた。
ウォールストリートジャーナルは「パキスタンはタリバーン政権の同意を引き出すため、ビンラディン氏をイスラム圏の第3国へと送り、イスラム法廷で裁判を受けるように折衷案を提示する可能性が高い」と観測した。
▲米国の対パキスタン圧力〓米国はパキスタンの積極的な仲裁努力を持ち出すため、仮にパキスタンが協調しなければ、「殆ど戦争水準」の代価を支払わなければならないとの圧力を加えていると、ニューヨークタイムズ誌が17日伝えた。同誌は「対外債務の帳消しと安保面での約束を提案した米国側に対し、パキスタンのムシャラフ大統領は領空通過と空港および基地使用を許可したほか、パキスタン情報網についての完全接近と米国戦闘機に対する燃料供給に合意した」と伝えた。
パキスタンは米国側の要求を受け入れ、17日から自国を経由し、アフガニスタンに入るすべての商品の通関を禁じた。これを受けてアフガニスタンが仕入れた1億ドル相当の物品がカラチ港をはじめ、パキスタン各地で押収し、アフガニスタン全域は事実上、経済封鎖状態となった。
mickey@donga.com






