教育行政の首長がまた交代する。今回、副総理兼教育人的資源相に新たに任命された韓完相(ハン・ワンサン)氏は、現政府になってから6人目の教育相である。
どの省庁よりも政策の一貫性を維持すべき教育省の長官が、このように頻繁に交代することには懸念を示さざるを得ない。まるでわが国の教育の漂流状態をそのまま映し出しているようだ。
もちろんこの人事は、過去のそれとは性格が多少異なるといえる。政府組織改編にともない、教育省が教育人的資源省に拡大改編され、長官が副総理に昇格した。しかしこれはずいぶん前から決まっていたことであり、前任の李敦煕(イ・ドンヒ)長官の任命の際にも助ェに人事に関して考慮されていたはずだ。いまさら「政府組織改編で新たに人事要因が発生した」として長官をまた代えたことは理解しかねる。
教育は「遠い将来まで見据えた長期的視点から政策を立てるべきだ」との観点から、よく「百年の大計」と言われる。政策が及ぼす影響がそれほど大きく、広いためである。しかし長官が頻繁に交代しては混乱が起きてしまう。
昨年8月に就任した前任の李敦煕長官は、教育現場に明るく、業務遂行にも無理がなかった。2002年度から大きく変わる大学入試の枠組み作り始め、中学校の全面義務教育実施、教師の競争力確保方案などに意欲的に取り組んできた。しかし長官が交代することによって、これまで加速してきた作業に支障が生じるのではないかとの懸念の声が上がっている。一部の教育省関係者達は「業務報告だけで仕事が終わってしまう」と不平をあらわにしている。
新任の韓副総理は、改革性と推進力を備えていると言われているが、はたして教育政策の適任者なのか、という点では評価が分かれている。彼は国家の頭脳資源開発のための人的支援政策分野や小・中等教育分野に専門知識があるとは言いかねる。
これらの点から、特定の人物に長官の座を与えるめに今回の人事が組まれたのではないかという指摘もある。
金泳三(キム・ヨンサム)政府の時に統一省総理をしていた韓副総理は、現政府ともいろいろと縁を結んできた。
現在、わが国の教育は危機を迎えている。いたるところで公教育が揺れており、教職社会は大きく動揺している。入試制度の変更は受験生達を混乱させている。実用学問に押され、人文学などの基礎学問は存亡の危機に瀕している。
このような状況にも関わらず、長官が頻繁に交代し、それが原因で教育政策が不安定になるようでは、わが国の教育の未来は暗いというほかない。国家の将来がかかっている教育の首長の座は、他のどの座よりも安定していなければならない。






