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北朝鮮への電力支援、どうするべきか

Posted December. 19, 2000 12:46,   

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の電力難を助ける方法には二つがある。

南北朝鮮電力産業の協力案について研究を続けてきたエネルギー経済研究院のチョン・ウジン議員は、「韓国で余っている電力を直接送電する方法と、北朝鮮に発電用の原料を供給するか発電所を建設してあげる方法がある」と話した。

北朝鮮が今必要としているのは、直ちに電力を使える直接送電方式である。北朝鮮は、韓国が外国為替危機当時、電力の使用量が大幅減少した時の数値を基に、韓国に予備電力があることを知っている。しかし、国内の専門家たちは、「現在の韓国の電力構造の上、予備電力を除けば北朝鮮に送電するのは難しい」という意見だ。という事で、直接送電の実現は難しいと見られる。

現在、韓国の最大電気供給能力は4287万キロワット。夏の最大使用料は3823万キロワットで、単純に計算すると464万キロワットが残る。予備供給率は12.2%。経済協力開発機関(OECD)が奨めている予備率も10〜12%なので、韓国にも電気が有り余っているわけではない。

こうした事情から、専門家は「電力使用量の多くない春・秋に制限的に送電する方法や北朝鮮に発電用の石炭供給をしたり、北朝鮮の古い発電設備や送配電設備を改善した方が効果的」だと指摘した。

石炭火力と水力発電を主な電源にしている北朝鮮の電力産業は、採炭装備が古く、石炭の生産量も急減しているため、深刻な危機に直面している。現在、韓国では石炭の消費が減少しているにもかかわらず、「石炭産業合理化政策」によって石炭の相当量を政府が備蓄している。在庫石炭量は、800万トンほどだ。この政府の備蓄炭は、政策によっては直ちに北朝鮮へ支援する事ができる。この中で500万トンを北朝鮮の発電所におくれば、北朝鮮の総発電量は42%が増える。

北朝鮮の発電設備の容量は739万キロワットに達するが、実際は200万キロワットに過ぎない。燃料不足と頻繁な故障がその原因。

石炭原価だけで見ると500万トンの供給費用は5000億ウォン。支援の規模を減らし、100万トンを支援するとしても1000億ウォンに達する。「北朝鮮に50万キロワット級の発電所の建設を提供すべき」だという意見もあるが、これもやはり5年の工事期間に、1兆ウォンの費用がかかるので、実現し難い提案だ。

一部では、「まずは、北朝鮮に石炭をある程度供給し、電力専門家を派遣して、古い発電所の設備を替え、送配電線路を改修する方が合理的」だという意見もある。電力支援が一方的な支援の規模としては多すぎるので、北朝鮮の漁労区域を韓国が使用する代わり、北朝鮮に石炭を供給しようと言う意見もある。産業資源省のイ・カンウ電力産業課長は、「今のところ、直接送電方式を始めとするあらゆる支援方法を検討しており、その方法はまだ決まってない」と述べた。