金大中大統領がノーベル平和賞の受賞者に決まってからわずか7週間が過ぎた。ノーベル賞のすべての分野において、韓国としては初めての受賞であるだけに、お祭り雰囲気は今まで続いても不思議ではない。しかし、残念にも今は授賞式への参加の可否についてまで、公開的に議論されるほど、その光栄は余りにも早く色褪せてしまった。
世論の大きな流れが、金大統領の国政運営の仕方やその結果に疑問を抱きはじめたからだ。与党の首脳部が、党政刷新論を公式にとりあげている事からも察する事ができる。
一体、どうして民心がこんなにも悪化したのか実に嘆かわしい。昨夜、帰国した金大統領も同じ気持ちであるはずだ。客観的に言えば、彼は大統領として恥じない政治家である。民主化を広め、これを進展させるために、そして平和統一への道を開くために、未来指向的な経綸と自己犠牲的な勇気をもって、数十年間にわたり一貫して闘争を続けてきた。その事実は誰1人と否定できないはずだ。ところが、これほど世界的に名が高く認められている政治家が率いている政府と与党に対する批判は、いや国政運営全般に対する不満はどうしてこれほどまでも高いのだろうか。
政府の主な関係者らは、まず、この政権の過ちなどについては素直にその責任を認めている。それを認めながらも、根深い地域覇権主義で仕方なく少数政権に、あるいは共同政権として出発するしかなかったこの政権に対する、生来的反DJ階層と地域の非協力と妨害が、事態を一層厳しい状況へと追い込んだと説明する。特に、この政権の改革政策に対する既得権勢力または保守勢力の反発が、世論を誤った方向へ誘導したという言い訳に留まらず悔しがりもした。
DJの為す事であれば、どんな事であれ、まず認めようとしない人が少なくないのは筆者も認める。中には、DJがうまくやればやるほどいやだと言う人さえいる事も十分察知している。しかし、果たしてそれだけが民心を揺るがし、この政権から心を離れさせたのだろうか。もう少し、客観的に見るために、周りの人に聞いてみると、大半「そうではない」という答えが返ってくる。
多数の世論は、これまで起こった大型疑惑事件から、今の政権もやはりこれまでの政権同様、腐敗していると疑うようになったが、政府と与党はその疑いを晴らす事ができなかったのである。昨年の高級衣服ロビー事件については、これ以上議論しても仕様がない。最近だけでも、2回にわたって大型金融事件が発生したが、合理的な説明無しに捜査結果は有耶無耶とされてしまった。権力層に対する捜査を適当に終えてしまっていると言うことを、一般国民たちも感じているのである。
内閣の存続を脅かすほどの爆発力のある大型不正腐敗事件に対して、きちんとした捜査が行われていない所を続け様で見ていると、世論はこの事件の背後に現政権の実勢が介入していると確信するようになった。社会心理的な雰囲気がこのように形成されながら、これまでは業界だけで静かに出回っていた陰湿なうわさが、公然と人々の話の種と化した。首都圏はもちろん、地方都市の利権にも実勢らが介入して、利益を取ってきたという話が如何にもそれらしく出回っている。こうした状況では、司正の角が立つはずもなく、党政刷新の発言が期待されるはずもない。正式に党を創立して1年も経たない「新しい」政党に「刷新」という話が出ている事自体がおかしい。刷新といっても、どうせその顔がその顔だろうと言う皮肉絡みの意味合いに留まる。
だからといって自嘲ばかりしているわけには行かない。そうするには、時局が厳しすぎるからだ。「第2の経済危機」を予防するためには、文字どおり特段の措置が必要だ。それは政権の中心部、権力の中核から徹底的に検討し、断つべきものは断ち切り、捨てるべきものは捨て、罰するべき者は罰すべきである。弾劾論議の真っ只中にいた検察総長と最高検察次長の進退についても、決断が必要だ。内部から解決するべきだ。そうしてこそ、民心は戻らずとも政府と与党は次の段階へと進めるはずだ。






